岡が2安打、髙部が2盗塁
ロッテの外野陣が27日の西武戦でも、アピール合戦が繰り広げられた。
26日の西武戦では髙部瑛斗が2安打、藤原恭大が1安打1打点と左打ちの外野陣が存在感を示したが、27日は右打ちの岡大海が結果を残した。『6番・右翼』で出場した岡は0-0の2回一死走者なしの第1打席、先発・渡邉勇太朗のカットボールをセンター前に弾き返すと、続く平沢の打席のときに二塁盗塁を決めた。1点を還しなお1-2の4回一死二塁の第2打席は、渡邉が投じた初球のカットボールをセンター前に適時打。この日は2安打1打点1盗塁の活躍だった。
対外試合で安打を量産する髙部は足で魅せた。まずは初回の第1打席遊安で出塁すると、続く中村奨吾の打席中にワイルドピッチで二塁へ。3ボール2ストライクから中村は空振り三振に倒れるも、スタートを切っていた髙部は三塁盗塁を成功。
さらに3-4の9回二死走者なしの第5打席は、遊失で塁に出ると、続く和田康士朗の初球にこの日2つ目となる盗塁を決めた。西武バッテリーが投手・育成の赤上優人、3年目の捕手・柘植世那と一軍での経験が少ないとはいえ、盗塁失敗をすれば試合終了という局面で盗塁を成功させたのは見事だった。
代走出場がメインながら昨季盗塁王に輝いた和田も、0-2の4回に四球で出塁した中村奨吾の代走で登場すると、続く山口の打席中に二塁盗塁。その後、牽制悪送球で三塁に進むと、池田来翔の遊ゴロの間にホームインした。
高部が対外試合で存在感
ロッテの外野手は昨季の実績からいえば、最多安打と盗塁王に輝いた不動のトップバッター荻野貴司、本塁打と打点でチーム2位の成績を残したマーティンのレギュラーは確実。
残り1つのポジションを複数人で争うことになる。2月の対外試合で、まず結果を残したのが大卒3年目の高部。最初の3試合はベンチスタートで、途中出場した2試合はいずれも2打数0安打だったが、代打で途中出場した2月19日の日本ハム戦で昨季最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した堀瑞輝からセンター前に安打を放つと、翌20日のヤクルト戦から6試合連続スタメン出場中。
20日のヤクルト戦から3試合連続複数安打、そのうち2試合は猛打賞の大暴れ。24日のソフトバンク戦は無安打だったが、2つの盗塁を決めれば、26日の西武戦では左投手から2安打、27日の西武戦も1安打2盗塁と、毎試合のようにアピールを続ける。
外野手登録も一塁での出場が多い山口も、左翼で先発出場した試合に限ると、打率.455(11-5)、1本塁打、6打点。22日のオリックス戦では3安打1打点、24日のソフトバンク戦では1本塁打3打点の活躍だった。
藤原、岡、和田も対外試合の打率が2割台ではあるが、藤原は22日のオリックス戦、24日のソフトバンク戦で追い込まれてから低めのフォークを見極め、その後ファウルで粘り、最後は四球をもぎ取るという打席があれば、岡も冒頭で述べたように27日の西武戦で2安打。対外試合最初の3試合はスタメン出場した和田も、2月17日の巨人戦でマルチ安打を放った。高部だけでなく、その他の外野手たちも開幕一軍入り、レギュラー獲得に向けて、競争に食らいついている。
球団からマーティンが26日に来日し、隔離期間終了後にチームへの合流予定と発表された。荻野、マーティンが合流するまでに若手選手たちは“継続”してアピールができるかどうか。さらに、ベテランの角中勝也や菅野剛士といった選手たちも控えている。開幕一軍入りに向けて、若手、中堅選手たちは、3月1日からはじまるオープン戦でも“H”のランプを灯し続けたいところだ。彼らがレベルの高い競争を繰り広げることで、外野の層はさらに厚くなる。
▼ 対外試合外野手登録の打撃成績
藤原 恭大 5試 率.250(16-4)本0 点2 盗1
岡 大海 9試 率.267(15-4)本0 点2 盗2
山口航輝 9試 率.269(26-7)本2 点9 盗0
高部 瑛斗 9試 率.387(31-12)本0 点4 盗8
西川 僚祐 4試 率.000(6-0)本0 点0 盗0
和田康士朗 9試 率.263(19-5)本0 点2 盗2
山本 大斗 7試 率.077(13-1)本0 点0 盗0
※2月27日終了時点
文=岩下雄太