「どんどんバッターに向かっていく姿勢を見せていきたい」
オリックスは1日、かつて日本ハムでプレーをし、昨季はメキシカンリーグで活躍した中村勝投手(30)と育成契約を結んだことを発表。
年俸は600万円(金額は推定)で、背番号は「121」に決まった。
2009年のドラフト1位で日本ハムに入団した中村は、2019年に退団した後、2020年はオーストラリア、昨年はメキシコでプレー。迎えた今春は、オリックスの春季キャンプにテスト生として参加していた。
福良淳一GMは、「もうちょっと見たいというのがある。育成でまず獲得して、長いイニングを投げる姿を見たりして、あとは自分の力で支配下を勝ち取るしかないというところ。とりあえず育成で契約はします」と、契約に至った経緯を説明。
起用法については、「タイプ的には先発が一番良いかなとは思っています。育成でも支配下でもそこを狙っている選手はいるわけですから、競争してもらって戦力になってくれたら良い」と期待を寄せた。
中村は「2年前には、(NPB復帰というのは)目標には全くなくて、どんどん自分がやっていく中で、自分の感覚も良くなって、去年メキシコでだいぶ良くなって、これだったら勝負できるんじゃないかというところから、目標に変わっていた。もう一回戻るというのは、すごく大変なことではあるんですけど、この場にまた立てるチャンスをいただいたので、嬉しい気持ちでいっぱいです」と、ひとまずは安堵した様子。
一方で、「ここがゴールじゃないので、一歩一歩踏み出していきたいなと思う。せっかくチャンスをいただけたので、このチャンスを無駄にせず、チームやここまで支えてくれた人たちへの恩返しを噛み締めて、まずは支配下になってくれと言っていただいたので、その言葉を胸にしっかりやっていきたい」とし、すぐに気持ちを引き締めていた。
起用法に関して、福良GMからは先発という話があったが、「僕もずっと先発をやってきていますし、去年もそこで回ってきたので、どこのチャンスでもという気持ちもありますが、まずは必要とされているところで準備していきたいなと思います」とコメント。
つづけて、「投げっぷりの良さというか、どんどんバッターに向かっていく姿勢を見せていきたい」とアピールポイントを挙げつつ、意気込んだ。
また、「海外に出てみて、NPBは組織としてすごくしっかりしてるというか、恵まれていると感じた。海外ではイレギュラーなことが多かったので、良い意味でこだわっているものが削ぎ落とされて、譲らないところは譲ってはいけないんですけど、対応力はついた」とも語る。
「まずはスタートラインに立てたということで、気を引き締めていきたいと思います。早くチームに溶け込めるように頑張っていきます」と中村。
最後には「僕もいい年齢なので、見本になれるように、やれることはしっかりやっていきたい」と、フレッシュさ溢れるチームの中で存在感を示していく意欲も示した。
取材・文=どら増田