走者を置いた場面で登板
ロッテの成田翔が、“左打者”をしっかりと封じた。
4日のソフトバンク戦と8日の日本ハム戦はイニングの頭から登板し、右打者に打たれ2試合連続で失点していた成田だったが、11日の西武戦は0-1の6回一死一塁という場面で登板。
栗山巧、呉念庭、高木渉、鈴木将平、源田壮亮と左打者が並ぶ打順ということもあり、左投手の成田にとって絶好のアピール機会だった。初球のストレートが外角に外れるも、2球目の外角ストレートで投ゴロ併殺に打ち取った。
今季対外試合では初めて、走者を置いたイニング途中からのマウンドとなったが、しっかりと結果を残した。
左打者を抑える
成田は昨季一軍で3試合・3回を投げ防御率0.00、左打者に対しては20年のセ・リーグ首位打者・佐野恵太(DeNA)を右飛、19年に首位打者に輝いた森友哉(西武)を122キロの外角スライダーで空振り三振に打ち取るなど、被打率.143(7-1)と抑えた。
二軍でも昨季は左打者に対し被打率.161(62-10)と抑えこみ、3月23日の日本ハム戦で難波侑平に安打を打たれたのを最後に、左打者を18打数連続で抑えたということもあった。
今年は2月からの対外試合、左打者に対して対戦数が少なく被打率.250(8-2)も、4日のソフトバンク戦から左打者は三森大貴を遊ゴロ、上林誠知を右飛、11日の西武戦で栗山巧を投併と3人連続で抑えている。ここまで9人の左打者と対戦し、与四死球は2日のオリックス戦で福田周平への死球1つだ。
「しっかり目の前の打者を打ち取ることを考えて投げています」(昨年4月取材)とファームでも“左のワンポイント”として、得点圏で左打者を迎えたところで何度も登板してきた。そして、成田はここ数年 “一軍で活躍する”、“左打者を抑える”ということを常に口にしている。
オープン戦に入って右打者との対戦が増える中で、打ち込まれる場面も多かったが、左打者を抑えるという役割を果たした。
ロッテは“左のリリーフ”が不足気味。昨年は先発投手が走者を残し、左打者を迎えたところで右の田中靖洋、小野郁がマウンドに上がることが多かった。そういった意味でも、左打者を封じ続けることで、一軍での居場所を確保できるはずだ。また、リリーフ陣は近年速球派が増えてきたなかで、左の変則投手は貴重な存在。“左打者”を抑えることが、今後も重要になってくる。
▼ 成田翔の対外試合左打者成績
中山(巨人)左安
勝俣(巨人)一ゴロ
長岡(ヤクルト)二失
渡部(オリックス)空三振
後藤(オリックス)中安
福田(オリックス)死球
三森(ソフトバンク)遊ゴロ
上林(ソフトバンク)右飛
栗山(西武)投併
文=岩下雄太