巨人・原辰徳監督

◆ オープン戦最下位チームのほとんどがシーズンで苦戦

 12日、オリックスとのオープン戦に2-10で大敗した巨人。連敗が6に伸び、オープン戦の最下位に転落した。

 翌13日の阪神戦も2-2で引き分け。連敗ストップとはならず、2勝7敗2分の勝率.222で単独最下位に沈んだままとなっている。

 「オープン戦の順位はアテにならない」と言われる一方で、オープン戦最下位のチームはシーズンでも苦戦を強いられることが多い。

 直近20年を振り返っても、オープン戦で最下位だったチームのうち、半数の9チームがシーズンでもリーグ最下位に。その9チームを含む16チームがBクラスに終わっているのだ。

 では、巨人というチームに限った場合、オープン戦の順位とシーズンの成績にどのような関係性が見られているのか。直近20年における巨人のオープン戦順位とリーグ戦の順位は以下の通り。

▼ 巨人のオープン戦順位とリーグ順位

<2002年>
オープン戦3位/リーグ1位

<2003年>
オープン戦4位/リーグ3位

<2004年>
オープン戦5位/リーグ3位

<2005年>
オープン戦6位/リーグ5位

<2006年>
オープン戦9位/リーグ4位

<2007年>
オープン戦4位/リーグ1位

<2008年>
オープン戦12位/リーグ1位

<2009年>
オープン戦8位/リーグ1位

<2010年>
オープン戦4位/リーグ3位

<2011年>
オープン戦5位/リーグ3位

<2012年>
オープン戦6位/リーグ1位

<2013年>
オープン戦1位/リーグ1位

<2014年>
オープン戦3位/リーグ1位

<2015年>
オープン戦11位/リーグ2位

<2016年>
オープン戦7位/リーグ2位

<2017年>
オープン戦12位/リーグ4位

<2018年>
オープン戦1位/リーグ3位

<2019年>
オープン戦4位/リーグ1位

<2020年>
オープン戦12位/リーグ1位

<2021年>
オープン戦7位/リーグ3位

◆ オープン戦最下位からの「逆転」リーグVが2度

 さすがというべきか、巨人はオープン戦でも1~6位の「Aクラス」に位置していることが多い。

 ただ、2010年代半ば頃からは逆に7位以下の「Bクラス」に沈むことも増えている印象だ。

 シーズン順位ではほとんどがAクラス入りしている巨人だが、オープン戦では最下位となっていることも珍しくない。

 直近20年においては、2008年・2017年・2020年とじつに3回もオープン戦最下位となっている。

 しかし、ただでは転ばないのが巨人というチーム。その3回のうち、2008年と2020年の2回はリーグ優勝を果たしている。

 3回のうち2回が優勝と考えると、巨人に限ってはオープン戦最下位が“吉兆”ということもできるかもしれない。

 「オープン戦の結果はアテにならない」……。

 とはいえ、オープン戦で最下位だったチームのほとんどがBクラスとなっていることを思えば、数少ない例外として、オープン戦最下位からでもリーグ優勝を果たす底力を持っているチームこそが巨人ともいえそうだ。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【清家茂樹・プロフィール】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

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清家茂樹

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