◆ 「今年は143試合出たい」
右肩痛の影響で戦線離脱していたオリックスの紅林弘太郎選手(20)が、12日の巨人戦から一軍に再合流。
「3番・遊撃」でスタメン出場した13日の中日戦では、昨季のセ・リーグ二冠投手である柳裕也からバックスクリーン横に本塁打を叩き込むなど、不安を払しょくする姿を見せた。
「ボール先行になったので、2ボールから真っ直ぐを狙ってちゃんと弾き返せたのが良かった。ちょっと上がり過ぎていたので、届いてくれて良かった」と、オープン戦第1号を振り返った紅林。一方で、「今年は四球とか、チーム打撃をちゃんとやっていかなきゃいけない立場。四球が取れたのは一番の収穫かなと思う」とも語り、見事な一発以上に「1打席目に四球を選べたこと」を喜んだ。
この日はクリーンナップでの出場となったが、「準備不足な感じで追い込まれた」と反省点も。「後ろに(吉田)正尚さん、杉本(裕太郎)さんと並んでいたので、塁に出たら得点のチャンスになる。そういう場面も考えたバッティングをしていきたい」と自身の役割についてコメント。
つづけて、「下位打線より3番の方が『やってやろう』という気持ちになりますが、やっぱり正尚さんとかの前を打たせてもらっているので、緊張というかプレッシャーがかかります」とも。昨年は吉田正尚の離脱で「3番目の打者」としての3番起用があったが、今年は“真の3番”として活躍したいという気持ちも抱いている。
気になるコンディション面についても、「状態は悪くない。肩の状態も大丈夫です」と頼もしいコメント。
数字を見ると.455という高打率も残っているが、「まだシーズンが始まっていないですし、ピッチャーも仕上げていく途中だと思う。まだ参考にならないですけど、四球を選べたのが良かった。去年に比べて余裕が出てきました」と、結果が出ていることよりも、“四球”を選ぶことができている点を強調した。
「ケガなく、1年間出られるように頑張りたい」というのが一番の目標だ。
「まずは開幕ショートのスタメンで。今年は143試合出たいと思っている。ショートのレギュラーを獲れるように頑張るのと、やっぱりプロ野球でやっている以上はチームの主軸、3番・4番を打ちたいと思っている。そこを任せられるようなバッターになりたい」と具体的な意気込みも語り、昨季136試合に出場していても「まだレギュラーは獲れたかは分からない。競争の中でやっている」と慢心はない。開幕戦にショートでスタメン出場。あくまでもその座を“狙って行く”という姿勢を示した。
15日からは、静岡の草薙球場で楽天との2連戦に臨むオリックス。紅林にとっては2年連続の地元凱旋試合となる。
「みんな来てくれると言ってくれているので、そういう方の前でプロ野球選手として野球ができるのはすごく嬉しいこと。試合に出たら良い姿を見せられるように、成長した姿を見せたいと思います」と決意を述べた背番号24。
地元の人たちに成長した姿を見せ、その勢いのままに「3.25」へ。開幕スタメン、ショートのレギュラー獲りへ向け、弾みをつけることはできるだろうか。
取材・文=どら増田