自主隔離から復帰即躍動
3月25日(金)に迫った開幕へ向けて、頼もしいリードオフマンが帰ってきた。
ヤクルトの塩見泰隆選手(28)は21日、ベルーナドームで行われた西武とのオープン戦に「1番・中堅」で先発出場。4打数2安打とマルチ安打の活躍を見せ、状態の良さをアピールした。
15日に山崎晃大朗の新型コロナ陽性判定を受け、その濃厚接触者の疑いで自主隔離をしていた塩見。この日は一軍に合流して即のスタメン起用となったが、背番号9はすぐさま結果で応えてみせた。
13日のソフトバンク戦(神宮)以来の出場も、「思ったよりボールは見えていた」。隔離期間は「体幹の強化やストレッチを行っていた」と、復帰へ向けて準備を整えていたという。
高津臣吾監督は今年も塩見を「1番・中堅」として起用する方針。打線について「オープン戦は全体的に打てなかった」と振り返ったが、本番へ向けて「しっかり良いつながりで点を取ってくれると思う」と、戻ってきたリードオフマンとともに打線の爆発を期待した。
また、この日は先発ローテの一角を争う2人が登板。明暗を分ける結果となった。
先発した42歳のベテラン・石川雅規は、持ち味である制球力を発揮して巧みに攻め、3回・43球を投げて1安打・無失点。開幕前の最後の登板を振り返り、「球数は少なかったですが、良い調整ができたと思います」とコメント。プロ21年目へのシーズンへ向けて、調整は上々だ。
一方、2番手のサイスニードは3回二死一・三塁から源田壮亮に3ランを浴びるなど、3回・54球を投げて4安打・4失点。開幕を前に不安を残したが、高津監督は「本調子ではない。もう少し時間がかかる」とコメント。今後も状態を見極めていく。
29年ぶりの連覇へ挑む2022年シーズン。オープン戦は最下位に沈んだものの、塩見も「開幕は違うスタート」と言い切る。今年もツバメがセ界の主役になる。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)