支配下で6人の投手を指名
昨季は外国人選手としてスモーク、テームズ、FAで井納翔一、梶谷隆幸を獲得するなどの戦力補強も実らず、リーグ3連覇を逃した巨人。昨季は先発投手の早期降板も多く、「マシンガン継投」と言われた矢継ぎ早の継投策でリリーフ陣への負担は大きかったはずだ。昨年のドラフト会議では、支配下で指名した7人中6人が投手。もちろん、素材型の投手も多いが、なかでも1位の大勢(翁田大勢/関西国際大)と3位の赤星優志(日本大)には即戦力の期待がかかる。
大勢はオープン戦で力強いストレートを武器に結果を残し、リリーフ陣に厚みを加える存在になりそうだ。ドラフト指名時には、本人が「自分はリリーフ向きだと思う」と発言したのに対し、原辰徳監督は「ジャイアンツのエースになってもらいたい」と先発完投型投手への期待を口にした。指揮官と選手の間で認識のズレがあったが、結局はリリーフとしてプロ1年目をスタートさせることになった。
ドラ1・大勢は勝ちパターン入りも
信頼を置くトレーナーと二人三脚で治療しながら体の使い方から見直したところ、パフォーマンスが劇的に向上。秋のリーグ戦では最速157キロをマークし、一躍ドラフト上位候補へと浮上している。緊急事態宣言が明け、スカウト陣の入場が許可された10月4日の試合には全12球団40人を超えるスカウトが大勢の視察に訪れている。この試合で14奪三振の快投を披露し、巨人からの好評価をつかみ取ったのだった。
サイドスローに近いスリークオーターから右打者に食い込んでいくような軌道のストレートと、高速で落ちるフォーク。つま先立ちから勢いをつけて投げ込む躍動感のある投球フォームも、打者に威圧感を与える。プロの実戦に慣れ、コントロールが落ち着いてくれば勝ちパターンでの起用も見えてくるだろう。
オープン戦で先発として結果を残した赤星は、一見すると怖さを感じない右腕。だが、両コーナーを正確に突くコントロールと、カットボール、ツーシームを駆使してホームベースをワイドに使える投球が持ち味だ。大学時代よりも平均球速が上がったようにも見え、首脳陣からの評価もうなぎのぼり。開幕一軍ローテ入りはほぼ確実の情勢だ。
巨人が再び上昇気流に乗るためには、大勢と赤星という即戦力右腕コンビが新風を巻き起こす必要がありそうだ。
読売ジャイアンツ
2021年ドラフト指名選手のオープン戦成績
*1軍成績(3/21終了時点)1.翁田大勢・投手(関西国際大)
7試合 0勝1敗1セーブ 1.29
2.山田龍聖・投手(JR東日本)
2試合 0勝1敗0セーブ 防御率4.50
3.赤星優志・投手(日本大)
4試合0勝1敗0セーブ 防御率1.06
4.石田隼都・投手(東海大相模高)
出場なし
5.岡田悠希・外野手(法政大)
7試合 1安打 打率.063 0本 0打点 0盗塁
6.代木大和・投手(明徳義塾高)
出場なし
7.花田侑樹・投手(広島新庄高)
出場なし
◇育成
1.鈴木大和・外野手(北海学園高)
出場なし
2.高田竜星・投手(石川ミリオンスターズ)
出場なし
3.亀田啓太・捕手(東海大)
出場なし
4.笹原操希・外野手(上田西高)
出場なし
5.鴨打瑛二・投手(創成館高)
出場なし
6.菊池大稀・投手(桐蔭横浜大)
出場なし
7.京本眞・投手(明豊高)
出場なし
8.富田龍・投手(四国学院大)
出場なし
9.川嵜陽仁・投手(誉高)
出場なし
10.大津綾也・捕手(北海高)
出場なし