チームのさらなる底上げを狙う
2年連続最下位から一転、昨季はリーグ制覇と大躍進を遂げたオリックス。骨太な育成を重視した、近年の編成の勝利でもあった。
リーグ連覇を目指す今季はチームのさらなる底上げを狙い、実力派の大学生を多く獲得した。とくにセンターラインの補強は顕著だ。捕手にはドラフト3位で類まれなリーダーシップを持つ福永奨(國學院大)、遊撃手にはドラフト2位で強肩強打の野口智哉(関西大)、中堅手にはドラフト4位で俊足好守の渡部遼人(慶應義塾大)を獲得した。伏見寅威や若月健矢、紅林弘太郎、福田周平とレギュラークラスを安穏とさせまいとする、編成陣の狙いが透けて見える。
渡部の出現がチーム内の競争に拍車をかける
打者としては相手投手に球数を投げさせる嫌らしさ、しぶとさがある。打席でも塁上でも相手バッテリーにストレスをかけられる存在は貴重だろう。
オープン戦では13試合に出場して打率は.242だったものの、4盗塁をマーク。一方、レギュラー最有力の福田はオープン戦で打率.318と好調。さらにプロ12年目の後藤駿太がオープン戦打率.435と覚醒の気配を見せている。渡部の出現がチーム内の競争に拍車をかけていると言えるかもしれない。
渡部はドラフト時に4位以内に指名がなければ、社会人の強豪チームに進む意向を示していた。ドラフト4位のウェーバー順最後のオリックスが指名していなければ、渡部は社会人に進んでいた可能性が高い。そんな運命の岐路でつながったオリックスで、これからどんな恩返しを見せるか楽しみだ。
他にもドラフト2位の野口はオープン戦打率.179と打撃面は苦しんだものの、遊撃以外にも三塁、二塁をこなしてユーティリティぶりを発揮。大学では右翼から強肩を見せつけたこともあり、内外野をこなせる万能さは武器になる。また、紅林、安達了一、太田椋、大城滉二と右打ちの内野手が多いところへ左打ちの野口が加わったことで、チーム内のバランスも整いそうだ。
オリックスの快進撃は続くのか。それはルーキーたちがチーム内の競争心をどれだけ煽れるかがカギになってくる。
オリックス・バファローズ
2021年ドラフト指名選手のオープン戦成績
*1軍成績(3/21終了時点)1.椋木蓮・投手(東北福祉大)
出場なし
2.野口智哉・内野手(関西大)
11試合 5安打 打率.179 0本 0打点 2盗塁
3.福永奨・捕手(国学院大)
1試合 0安打 打率ー 0本 0打点 0盗塁
4.渡部遼人・外野手(慶応大)
13試合 8安打 打率.242 0本 3打点 盗塁4
5.池田陵真・外野手(大阪桐蔭高)
7試合 3安打 打率.231 0本 0打点 0盗塁
6.横山楓・投手(セガサミー)
出場なし
7.小木田敦也・投手(TDK)
2試合 0勝0敗0セーブ 防御率3.00
◇育成
1.山中尭之・外野手(茨城アストロプラネッツ)
出場なし
2.園部佳太・内野手(福島レッドホープス)
出場なし
3.大里昂生・内野手(東北福祉大)
8試合 0安打 打率.000 0本 0打点 0盗塁