「逆算していかないと難しくなるので…」
日本ハムが本拠地・札幌ドームでロッテにサヨナラ勝ち。3月31日の西武戦以来、今季2勝目を挙げた。
6日放送の『プロ野球ニュース』で話題に挙がったのが、2点リードの7回の場面。好投を続けていた加藤貴之が四球と安打で無死一・三塁のピンチを迎えたシーンだ。
左腕はブランドン・レアードを空振り三振に斬り、その間に盗塁を許して二・三塁となったものの、山口航輝を見逃し三振。二死となったところで、ベンチは継投を決断する。
ところが、代わって登板した2番手の杉浦稔大は1球目のフォークを引っかけ、ワンバウンドの投球を捕手が大きく前に弾く間に三塁走者が生還。いきなり1点を失ってしまう。さらに岡大海を歩かせて二死一・二塁とすると、アデイニー・エチェバリアには初球をライトに弾き返され、本塁上はクロスプレーとなるもセーフ。2-2と試合が振り出しに戻り、これで加藤の白星が消えた。
結局その回は杉浦がしのぎ切り、8回は堀瑞輝が2奪三振で無失点の好リリーフ。9回はルーキーの北山亘基が一死一・二塁とピンチを招きながらも併殺で切り抜け、裏のサヨナラにつなげた。
劇勝の一方で、解説者は7回の場面に注目。先発・加藤の好投が続き、球数も81球だったとはいえ、前回登板は6回二死・76球を投じたところから一気に連打を浴びて逆転を許したという一幕もあった。それだけに、先頭への四球や続く佐藤都志也の安打では動かず、そこから右打者2人を三振に斬ったところで交代に踏み切ったベンチワークについては“意外”と見る向きもあったことだろう。
未だに“勝利の方程式”が定まっていない部分もあるが、もしかするとBIGBOSSの中には勝ちパターンを固定するという考えもないのかもしれない。その点について、解説者の齊藤明雄さんは「まだ考えている状況というのはあると思う」としつつ、「ただもう公式戦、ペナントレースに入っているので、9回のクローザーは絶対に決めた方が良いですよね」と自身の考えを示す。
続けて、「7回・8回はその日によって口頭で伝えてやる形でも良い」と抑えに繋ぐまでの順番については臨機応変な対応が求められることを挙げながら、「逆算していかないと難しくなるので、私ならクローザーを北山にして、杉浦と堀には『今日は7回だよ、8回だよ』よそれぞれに伝えながらやっていく」と提案。「この方が準備がしやすいのではないか」と、投手目線から語った。
この日登板した3人以外にも、ベテランの宮西尚生をはじめ実力のあるブルペンスタッフが揃う日本ハムだけに、あとはいかにして万全の状態で投手をマウンドに送り出すことができるか。今後の投手起用から目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』