ニュース 2022.04.07. 11:34

待望の今季初HR チーム救った佐藤輝・石川昂の“一発のチカラ”

無断転載禁止
プロ野球 阪神対DeNA ヒーローインタビューを受ける、開幕10戦目で今季1号、2点本塁打を放った阪神・佐藤輝明。チームは今季初勝利、連敗を9で止めた=2022年4月5日 甲子園球場 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、4月5日に待望の今季(2022年)初本塁打を放ち、チームの勝利に貢献した阪神・佐藤輝明選手と、中日・石川昂弥選手にまつわるエピソードを紹介する。
「いや、もう間違いなく。特別な一日ですね」

~『デイリースポーツonline』2022年4月6日配信記事 より(佐藤輝明コメント)

-----

相撲で言うと、10日目にして待望の「初日」が出たのが阪神です。3月25日、京セラドーム大阪で行われた開幕戦で、ヤクルトに最大7点差をひっくり返される逆転負けを喫してから、ヤクルト・広島・巨人に3カード連続で3連敗。悪夢のような開幕9連敗を喫して、ホーム・甲子園球場に戻って来たのが4月5日でした。

やはり虎は、甲子園に来ると変わります。入場制限が解除され、久々に大勢の観客で埋まった本拠地でのゲーム。阪神は初回、DeNA先発のロメロから、1番・近本がセンター前にヒットを放ち出塁。暴投で二塁に進むと、2番・中野がライト前にタイムリー。リズムよく先制したあと、3番・糸井が凡退。1死一塁で4番・佐藤輝明に打順が回ってきました。

2年目の今季、開幕から全試合4番に座っている佐藤輝。ヒットは打っていますが、佐藤輝ならではの豪快な本塁打は開幕9試合でまだ1本も出ていませんでした。甲子園に戻っての初戦、何としても連敗を止めたい阪神としては、ここで一発欲しいところ。

佐藤輝は、ロメロが内角に投じた初球、148キロを豪快に振り抜くと、打球は虎ファンで埋まったライトスタンド前列に飛び込みました。DeNAの出鼻をくじく、今季1号2ラン!

-----
『いやもう、めちゃくちゃうれしいです』

『本当にギリギリだったので一生懸命走りました』

~『デイリースポーツonline』2022年4月6日配信記事 より

-----

「めちゃくちゃうれしい」の一言には、実感がこもっています。昨季(2021年)は1年目から24本塁打を放った佐藤輝ですが、規定打席到達者中ワーストの173三振を喫しました。それだけ積極的にバットを振っていった証しでもありますが、今季は確実性アップのためフォームを改良。開幕9試合で打率は2割8分台と安定していたものの、代わりに代名詞でもある豪快な本塁打が鳴りを潜めていたのです。

やはり、自分の持ち味は「一発」にあり。それこそが、チームが長いトンネルから抜け出すための起爆剤になる……佐藤輝は試合前の練習で藤井康雄1・2軍巡回打撃コーチからアドバイスを受け、フォームを微修正しました。どこを修正したかについて、藤井コーチはこう語っています。

-----
『ボールを(待って)受け過ぎるところがあった。気持ちいいポイント、一番打って飛ぶポイントはどこか(を探った)』

~『毎日新聞』2022年4月5日配信記事 より

-----

確実性、安定性を求めるがゆえに、つい見失っていた「気持ちいいポイントでボールを叩く」というバッティングの原点。ミートするポイントをやや前に置いた結果生まれた佐藤輝の2ランは、阪神先発・西勇輝にとって大きな援護点となり、2020年9月以来久々の完封勝利につながりました。

試合後、阪神にとって今季初のお立ち台に立ち「最高です!」と叫んだ佐藤輝。満員に近い状態の甲子園でプレーするのは、佐藤輝にとって初めての経験でした。その舞台でチームを勝利に導く一発を放ったことは、本人にとっても万感の思いがあったことでしょう。

-----
『これをきっかけにしてやるしかないので。(坂本)誠志郎さんとか、なんか泣きそうな感じだったので(笑い)。明日からもっと勝っていって巻き返したい』

~『デイリースポーツonline』2022年4月6日配信記事 より

-----

トンネルを抜けたと言っても、まだ借金は「8」もあります。ここから手負いの虎が巻き返すには、新主砲・佐藤輝の豪快なアーチが何本飛び出すかにも懸かっています。

5日に、チームを勝利に導く「待望の初アーチ」を打った選手がもう1人います。中日の将来の主砲候補と期待されている、今年3年目・石川昂弥です。

神宮球場で行われたヤクルト-中日戦。3連勝中の中日は序盤に5点をリードしますが、ヤクルトも反撃。7回、主砲・村上のこの日2本目となる3ランで6-6の同点に追いつきます。ムード的にもヤクルトが押せ押せの状況でしたが、直後の8回、先頭で打席に入ったのが石川昂でした。

-----
『やっぱり村上さんのホームランを見て、次、先頭というのは分かっていたので、やり返すというふうには思っていました』

~『スポーツ報知』2022年4月5日配信記事 より

-----

愛知・東邦高校から、2019年のドラフト会議で3球団競合の末に中日入りした石川昂。「地元の子」だけに中日ファンの期待はことのほか高く、また打球を遠くへ飛ばす能力は折り紙付きでした。1年目から1軍の試合に出場しましたが、すぐには結果が残せずほとんどがファーム暮らし。2年目の昨季は、死球による故障もあって1軍出場はゼロに終わりました。

今季から指揮を執ることになった立浪新監督は、石川昂を主砲に育てるべく、「今季は開幕から、昂弥をスタメン三塁で使う」と明言。実際、起用を続けて来ました。しかし打撃は低迷。この日も1番~6番までの打者が5回までに全員ヒットを放つなか、7番の石川昂は第3打席まで「三振、三振、サードゴロ」と蚊帳の外でした。

しかし途中交代させることなく、石川昂をそのまま打席に送り出した立浪監督。村上の同点本塁打を見て、そもそも1軍でまだ1本も本塁打を打っていないのに「やられたら、俺がやり返す」と考える負けん気……石川昂のメンタルの強さを立浪監督は高く評価しています。

石川昂は、ヤクルト・清水が投じた真ん中低め、145キロをフルスイングすると、打球は左中間スタンドへ飛び込む今季1号ソロに! 貴重な勝ち越し弾であると同時に、この一発は記念すべき「プロ初本塁打」でもありました。こんな緊迫した場面で、試合を決める一発が打てる石川昂、やはりタダ者ではありません。

石川昂の長所は、物怖じしないところです。プロ2年目の昨年1月、「自主トレに参加したい」と広島・鈴木誠也(現カブス)に志願。石川昂は常々、鈴木を「理想の4番」と語っています。使用している用具メーカーが同じという縁もあって弟子入りが実現。おとなしい若手が多い中日では珍しい“行動派”です。

立浪監督が我慢してスタメン起用を続けているのも、石川昂がバッティングに対して真剣であり貪欲だからこそ。いまは経験を積ませることが大事……と考えていたところ、チームを5割に導く決勝アーチを放ってくれたのだから、こんなに嬉しいことはないでしょう。石川も、そんな指揮官に対して感謝の言葉を忘れませんでした。

-----
『なかなかチャンスで打ててなかったんですけど、使い続けてくれた立浪監督だったり、色んな方々に声をかけて頂いてホームランを打てたと思うんで、感謝しかないです』

~『スポーツ報知』2022年4月5日配信記事 より

-----

ホームランは野球の華であり、チームの雰囲気を一変させる力を持っています。将来を期待される若き「ホームラン打者」が東西でノロシを上げた4月5日。これをきっかけに2人が本塁打を量産し、セ・リーグを盛り上げてくれることを期待しましょう。

【PR】中日ドラゴンズを観戦するなら「DAZN Baseball」

立浪和義監督3年目の中日は中田翔を主砲に迎え打力を強化。大野雄大や小笠原慎之介ら実績のある先発陣を打線が援護できるかが下剋上のカギ!

「DAZN Baseball」とは、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプランです(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できます。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】「DMM×DAZNホーダイ」でプロ野球を観よう!

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZN Standardをセットで利用できるプラン。

単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZN Standard月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です。

POINT

① 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!

② DAZNだけの契約と比較しても月額720円(税込)お得に楽しめる!

③ 新規入会月から最大3カ月間、「DMMポイント」を550ポイント付与!

ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ショウアップナイター
  • ベースボールキング
FM