◆ 「野球センスの高さを感じた」
中日の髙橋宏斗投手(19)が7日、神宮で行われたヤクルト戦に先発登板。6回3失点と試合を作り、嬉しいプロ初勝利を手にした。
さらに、2回の打席では満塁のチャンスで逆転の2点適時打。プロ初安打と初打点もマークしている。
地元の中京大中京高から、2020年のドラフト1位で入団した期待の右腕。3月30日のDeNA戦で一軍初登板・初先発を果たすも、その時は5回4失点で黒星が付いていた。
迎えた今季2度目のマウンドは、立ち上がりに1点を失ってしまったものの、上述の通り2回の第1打席で自ら試合をひっくり返す適時打。すると、2回以降は走者を背負いながらも要所を締める投球でゼロを並べていく。
4-1と援護を受けた直後の5回裏、松本直樹に2ランを浴びて1点差に迫られたものの、直後の6回表に2019年ドラフト1位の先輩・石川昂弥がすぐさま一発を放てば、8番・京田陽太も続いて2者連続。3点のプレゼントをもらい、6回・94球でこの日の仕事を終えた。
その後も打線の勢いは止まらず、試合は11-3の大勝。髙橋は6回を投げて被安打6、与四球が1つ、5奪三振の3失点で嬉しいプロ初勝利。先輩たちの強力な援護にも守られ、プロとしての第一歩を踏み出した。
7日に放送された『プロ野球ニュース』に出演した解説陣は、まず「2回の適時打」が大きかったと分析する。大矢明彦氏は「あのバッティングが自分を助けた」とし、「打席のステップを見ると、少し早めにして待っているんですよね。このあたりに野球センスの高さを感じた」と絶賛。「バッティングが自分を助けて、ピッチングも冴えていったと思う」と分析する。
現役時代に投手として活躍した池田親興氏も「僕は初安打がホームランだったんですよ」と思い返しながら、「打ったからという訳ではないが、ちょっと気持ちは楽になった。自分を助けることにもなるので」とコメント。「髙橋もそういう気持ちになった部分はあったかなと」とその胸中を察する。
また、投球について大矢氏は「立ち上がり、先頭の塩見泰隆に対してまっすぐが2つボールになった後の3球目、真ん中のまっすぐを打たれた」シーンがポイントになったと挙げ、「そこから少しずつカーブを入れてみたり、フォークを入れてみたり、バッテリーで変化球のコンビネーションを考えて投げるようになった」と配球の変化を指摘。
「まっすぐが速くても甘ければ打たれるというのを自分で感じたのだと思う」と、試合序盤の“気付き”が大きな一歩になったと強調し、「ゲームの中でそういった切り替えができるだけの球種を持っている。これが投手としては大事なことで、これがなければ先発投手としてやっていけないとも言える。先が楽しみになった」と、若くしてマウンド上で臨機応変な対応ができる点を強みとして挙げた。