ビシエドを支える2人のクラッチヒッター
中日が今季2度目の4連勝。
前回登板で完封勝利を挙げた柳裕也は、9回に1点を失って連続完封こそ逃したものの、135球の熱投で1失点完投勝利を挙げた。
4月3日の広島戦は虎の子の1点を守り抜く辛勝。プレッシャーの中で大仕事を果たした右のエースへ、この日は打線が序盤から援護をもたらす。
初回、二死二・三塁のチャンスで勝負強い打撃が光る阿部寿樹がライトへ先制の2点適時打を放つと、3回は一死からダヤン・ビシエドと阿部の連打で作ったチャンスに木下拓哉が2点適時二塁打。女房役がバットでも右腕を支えた。
14日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した高木豊氏も「ビシエドがまだピリッとしない中、うしろを打つ阿部や木下が良い。付け加えると、石川昂弥の成長も。この3枚が後ろに揃っているというのは非常に厚みを感じる」と5番から下位にかけての充実度を高く評価する。
同じく番組に出演した大矢明彦氏も、この日の2本の適時打を振り返りながら「打席の中で自分が打つ球をしっかりと決めて、我慢しながら来た球をしっかり叩くという形ができている。すごく勝負強さを感じる」と、チャンスでの心構えが徹底されている点を強みに挙げた。
また、齊藤明雄氏は4戦連続マルチ安打中と状態上向きの石川に注目。「バットを少し寝かせて、軌道がしっかりできている。あとは積極的に振りに行っていること。詰まるのを怖がっていないのでヒットになる」と好調の要因を挙げながら、さらなる打線のパワーアップにも期待を寄せている。
一方で、新生・中日打線の課題は「3番」と高木氏。今季はルーキー・鵜飼航丞をはじめ、アリエル・マルティネスやベテランの平田良介に福留孝介、さらには他の打順から大島や阿部を持ってくるなど、試行錯誤が続く。
戦列を離れている高橋周平が二軍で復帰間近という報道もあり、大矢氏は「ここに高橋が1枚入ってくることで厚みは増してくる」としつつも、「ただ、二塁を守っている阿部はどうする?阿部をレフトにするならマルティネスはどうしようか」という新たな悩みも浮上。これには高木氏も「こういう悩みが出てくること自体、昨年まではなかったですよね」と同調し、今年の打線の充実ぶりに目を細めた。
「久しぶりに恐竜打線と言えるようになるんじゃない?」と大矢氏。
“新・恐竜打線”は開幕15試合で9勝6敗と好スタートを切った立浪ドラゴンズの新名物となるか。もともと強固な投手陣だけでなく、今年は打線にも注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』