終盤4イニングで5得点
ヤクルトは17日、横浜スタジアムで行われたDeNAとの一戦に5-4で逆転勝ち。
敵地での3連戦を2勝1敗で勝ち越し、貯金を「1」とした。
序盤は0-4と劣勢も、6回表に山田哲人の適時打で反撃の狼煙を上げると、5番に入った塩見泰隆の犠飛も飛び出して2点差に。8回には無死満塁から4番・村上宗隆がセンターへの適時打を放って、この間に二者が生還。試合を振り出しに戻した。
4-4で迎えた9回は、一死満塁のチャンスを作ると、途中出場の山崎晃大朗がレフトへ犠飛。終盤4イニングで試合をひっくり返し、5-4で接戦をモノにした。
高津臣吾監督は「チームの刺激になればと思って打順をいじりました」と、この日の打線について説明。リードオフマンの塩見を5番に回し、8番に投手の高橋奎二を8番に入れるなど、前日完封負けした嫌な流れを断ち切る作戦が奏功した。
▼ この日のスタメン
1.(右)太田
2.(左)青木
3.(二)山田
4.(三)村上
5.(中)塩見
6.(遊)長岡
7.(一)オスナ
8.(投)高橋
9.(捕)古賀
「バッターに集中」魂のリリーフ
逆転勝ちを引き寄せたのは、かつての守護神・石山泰稚の投球だった。
8回に打球を足に受けるアクシデントで降板した清水昇に代わり、無死一塁から緊急登板。「バッターに集中することだけを考えて行きました」とマウンドに登った右腕は、出だしこそ制球に苦しんで四球を与え、犠打と申告敬遠で一死満塁となるも、代打・藤田一也を二ゴロ併殺に斬ってピンチ脱出。粘りの投球でチームを窮地から救った。
これには高津監督も「バッテリーがよくゲッツーを取った。あれが9回の攻撃につながったと思います」と語り、石山とともに19歳の捕手・内山壮真も称えた。
主力のケガが相次ぐ中、チーム全員で粘りの野球を見せて勝利を収めたヤクルト。
指揮官も「ベンチもグラウンドに出ている人も集中してやってくれている」と、チームの一体感を強調。最後まで諦めない姿勢を貫き、上位争いに食らいつく。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)