○ オリックス 3x － 2 ロッテ ●
＜5回戦・京セラD大阪＞
開幕からいまひとつ波に乗れないロッテは、22日のオリックス戦に犠打や盗塁で走者を進めて犠飛で得点し、リードを投手陣が守り抜く“らしい”戦い方で連敗を5で止め、23日の試合は勢いに乗るためにも、連勝したいところだったが、逃げ切れなかった、勝ち切れなかった。
1－1の10回、一時勝ち越した場面はマリーンズ“らしい”攻撃で得点した。先頭の小川龍成が、オリックスの5番手・比嘉幹貴が1ボール2ストライクから投じたスライダーを右中間に運ぶと、スピードを緩めることなく二塁を陥れる好走塁。続く1番・髙部瑛斗がきっちりと送り、小川を三塁へ進めると、2番・中村奨吾の三塁ゴロで好スタートを切った小川が勝ち越しのホームを踏む。
1点のリードを奪えば、あとは逃げ切るだけ。その裏、このリードを守るべく守護神・益田直也が登板。益田はチームが連敗していたこともあり、17日の日本ハム戦以来の登板と、間隔が空いていたのは気になったところ。先頭の福田周平に二塁打を許すと、続くバレラの打球をショート・小川がファンブルで一、三塁。吉田正尚に犠飛を打たれ同点に追いつかれた。
11回は二死一、二塁と勝ち越しの好機を作るも得点を奪えず。11回裏は開幕前に支配下登録となった小沼健太がマウンドへ。小沼は先頭の来田涼斗にライト前に運ばれると、杉本裕太郎に四球、山足達也を遊ゴロでアウトを1つ奪う。一死一、三塁とし、伏見寅威の二ゴロをセカンド・中村がファンブルしたが、素早くボールを拾い、ホームを狙った三塁走者・来田を刺そうと送球するも間に合わずサヨナラ負け。
10回はロッテらしい足を使った攻撃で勝ち越し、勝利すれば、勢いに乗っていきそうな雰囲気はあったが勝ち切れなかった。気になるのは10回と11回の失点、いずれも守備のミスが絡んでいること。20年、21年と打てないチームではあったが、投手陣を中心に“守り勝つ”野球で2年連続Aクラス入りを果たした。
それだけに理想的な勝ち越しをしながら、最後は守備のミスで負けた1敗は、同じ1敗でも打てずに負けた試合よりも重い。“頂点を、つかむ。”をチームスローガンに掲げ、リーグ優勝を目指すならば、勝ちきれる試合は勝っておきたい。勝てなくても、最悪引き分けで終わりたい試合だった。また、チームの流れを変える意味でも連勝したかった。
少し感情的になってしまったが、悪いところばかりではない。守護神・益田に繋ぐセットアッパーが開幕から不安定だったが、1－1の8回に登板した東條大樹が走者を出しながら無失点に抑えると、9回に登板した小野郁は危なげなく、わずか9球で三者凡退に打ち取った。東條、小野が勝ちパターンで投げることができるようになれば、チームにとってプラスになる。
ただ、東條と小野は連投中で、昨季までの投手運用であれば、24日の登板はない。そうなると、リードしていれば8回・西野勇士、9回・益田で逃げ切る形になるのか。佐々木朗希が8回まで投げ、9回・益田に繋ぐのか、佐々木朗希が一人で投げきるのか。打線が打てなければ、延長戦もある。このあたりも9回打ち切りだった昨季までとは違うところ。23日は延長11回まで戦っており、佐々木朗希には1イニングでも長く投げて欲しいというのが本音。この3連戦を終えると、次カードは首位・楽天との3連戦が待っている。オリックスとの3連戦に勝ち越し、なんとか良い形でZOZOマリンでのホーム6連戦を迎えたい。
文＝岩下雄太
