指揮官も打線の状態には手応え「もう少しですかね」
オリックスは24日、本拠地でロッテと対戦。
2週間前に完全試合を許した佐々木朗希との再戦で2得点を挙げるも、結果は3-6で敗戦。相手よりも多い10本の安打を放ちながらあと一本が出ず、このカードは1勝2敗で負け越しとなった。
打線には期する思いがあった。1番に入った福田周平は「160キロでも150キロでも、スピードは違えどベース板を通るというのは全員一緒。佐々木君の場合はみんなより早くタイミングを取って、そのまっすぐを弾き返せる感じを作るべきだと思っていた」との言葉通り、初球の159キロをライト前へ。いきなり佐々木の「完全投球」を17イニングでストップしてみせる。
さらに一死から紅林弘太郎の内野安打でチャンスを作り、3番・吉田正尚は158キロを弾き返して三遊間突破の安打。ここはレフト・髙部瑛斗の好返球に福田の本塁生還は阻まれたが、前回やられた相手にいきなり3本の安打を浴びせた。
ところが2回、先発の山﨑颯一郎が先頭に四球を与えてしまうと、二死から四球と自身の失策で満塁のピンチを招き、トップに返って髙部にはレフトへと弾き返される適時打。2点を失い、続く和田康士朗にも適時打を浴びて3点を先制されてしまった。
この日は5回を投げて失点はこのイニングだけだったが、被安打5に四死球が3つで球数は101球を要した。
右腕は「初回もそうでしたが、2回もフィールディングの部分で自分で自分を苦しめてしまっていたと思います」と肩を落とし、「なんとかゾーンで勝負してテンポ良く投げようと思っていましたが、常にランナーを背負ってしまい、リズムの良くない投球になってしまいました」と反省を口にした。
反撃したい打線は5回、先頭・安達了一の安打に2つの四球で満塁のチャンスを作ると、紅林は投ゴロで併殺に倒れるも、この間に1点を挙げて佐々木の連続無失点を23イニングでストップ。
なおも二死三塁から吉田正が左中間への適時二塁打を放ち、2-3と1点差に接近。難敵・佐々木を5回で降板に追い込んだが、その後も「あと一本」が出ない展開が続く。
リリーフでは2番手・阿部翔太が4者連続三振を含む2回パーフェクトの好投を見せたものの、8回から登板した3番手のセサル・バルガスが9回につかまり、3点を失って2-6と4点差に。
その裏の攻撃ではロッテの守護神・益田直也に対して粘りを見せ、杉本裕太郎の犠飛で1点を返したが反撃はここまで。3-6で敗れた。
試合後、中嶋聡監督は先発・山﨑颯について「自分から勝ちを放棄している。そういうことじゃないですか。初回からピッチャーゴロを緩慢な動きになって(結果は内野安打)、(失点した2回も)四球・四球で自分のエラーですから」と一喝。「野手は非常に良い勢いで入ってくれたんですけど、その勢いすら止める感じになる。あれじゃちょっと厳しいですよね」と辛らつなコメントを残した。
一方で、2番手の阿部には「良かったですね。良く投げてくれました」と高評価。2ケタ・10安打を放った打線に関しても「勢いというか、“なんとか”という形までは来ているのかなと思います。もう少しですかね」と手ごたえを語っている。
「調子うんぬんではなく、これからは戦い方になると思う」。徐々に見えてきた明るい兆しを次の戦いへ繋いでいくことができるか。チームは26日から、東京ドームで日本ハムとの3連戦に挑む。
取材・文=どら増田