佐々木が一軍登録抹消
ロッテの佐々木朗希が25日、一軍登録抹消となった。
佐々木は高卒3年目の今季、開幕ローテーションを掴むと初登板となった3月27日の楽天戦から4月17日の日本ハム戦にかけて4試合連続2桁奪三振、4月10日のオリックス戦ではプロ野球史上16人目となる完全試合達成&NPBタイ記録となる1試合19奪三振を記録した。
17日の日本ハム戦でも8回を無安打に抑え、3日の西武戦の8回二死二塁の場面で、岸潤一郎を空振り三振に仕留めてから17日の日本ハム戦・8回二死走者なしで見逃し三振に仕留めた野村佑希まで52者連続で無安打投球。京セラドームで登板した24日のオリックス戦は今季3勝目を挙げたが、5回6被安打4奪三振5四死球2失点という投球内容だった。
今季はここまで5試合・36イニングを投げ、3勝0敗、防御率1.50、奪三振数はイニング数を大きく上回る60だ。
井口資仁監督は佐々木朗希の一軍登録抹消に関して、球団を通じ「ちょっと疲れもあるようなので本人、コーチとも話し合って、一度、抹消することにしました。しっかりと疲れを取ってベストコンディションで次回登板にのぞんでもらいたいと思います」とコメントした。今後に関しては球団によると、一軍に帯同しながら調整をしていくという。
岩下と種市も19年5月に登録抹消
振り返れば、2019年に先発ローテーションに定着したばかりの高卒でプロ入りした当時5年目の岩下大輝、当時3年目の種市篤暉も、岩下が同年5月9日の西武戦で5回3失点に抑えた翌10日、種市が同年5月16日のオリックス戦で6回を2失点に抑え3勝目を手にした翌17日に一軍登録抹消となっている。近年は高卒でプロ入りし、初めて一軍の先発ローテーションで投げる投手には無理をさせない印象だ。
岩下、種市、佐々木朗希、3人の体の作りや、抹消となった時期、当時のチーム状況などが異なり単純に比較することはできないが、登録抹消期間中に岩下と種市が当時どんなことを考えていたのか振り返っていきたい。
一軍登録抹消までに岩下は当時先発6試合・33イニング、種市は救援で8試合・13イニング、先発で3試合・16回1/3を投げ、岩下と種市も抹消期間中は一軍に帯同しながら調整していた。投球イニング数を見れば、今回登録抹消となった佐々木と、当時の岩下と種市と同じように、30イニング前後投げたところで抹消となっている。
19年当時の取材で、岩下は一軍登録抹消期間中、「1週間投げ続けていく中で、疲労の溜まり方も変わってくるし、試合内容によっても変わったりする。そこをちょっとリフレッシュじゃないですけど、リカバリーの仕方を変えながらやっています。どれが自分に合っているかというのを考えながらやっていますね」と長いシーズンを見据えて、色々と試していたのが印象的だった。
一方の種市は同年、1年間一軍で投げることを目標にしており、登録抹消を悔しがっていたが、「次回に向けてしっかり準備していきたいと思います」と前を向き、「がっつりウエイトをして、がっつり練習してという感じです」と変わらずトレーニングに励んだ。
岩下は5月22日のオリックス戦で先発復帰し、勝ち星に恵まれなかったが安定した投球を続け、7月2日のオリックス戦からカード頭での先発、オールスター明けの7月15日の西武戦では後半戦の開幕投手を任された。
種市は5月30日の日本ハム戦で先発復帰し、6月6日の阪神戦、同月13日のDeNA戦で当時自己最長となる7イニングを投げ、オールスター明けからはエース級の働きを見せ、最終的には同年チームトップタイとなる8勝をマークした。
話を佐々木朗希に戻すと、当時の岩下と種市と同じように今季初めて中6日で先発しており、長いシーズンを考えれば、疲れが溜まったまま投げるよりも、優勝を争うシーズン最終盤でベストな状態で投げてもらうことの方が、チームにとっても佐々木にとっても良いはず。
今季のマリーンズの先発陣は石川歩、ロメロ、小島和哉が軸として投げており、さらに美馬学、二木康太、ファームには河村説人、本前郁也、佐藤奨真、古谷拓郎、中森俊介などが控えるなど充実している。佐々木朗希はしっかりと疲れをとり、次回先発のときには再び圧倒的なパフォーマンスを披露して欲しい。
文=岩下雄太