タイミングの取り方で試行錯誤
ロッテの育成4位・村山亮介は、ここまで二軍戦に16試合に出場しているが、そのうち11試合がスタメン出場と、実戦経験を積んでいる。
「高校の時とガラッと違って球速、変化球のキレだったり、全て格段にレベルが高い。試合に出させてもらって、当初に比べてボールがみえるようになってきてヒットも何本か打てたので、だいぶ成長しているのかなと思います」。
ここ最近の打撃を見ても打率こそ.098だが、20日の西武との二軍戦で本田圭佑が投じたストレートをレフト前に弾き返すなど、徐々に対応ができている印象だ。
打撃フォームを見ても、開幕直後は左足をあげて打っていたが、13日の巨人との二軍戦以降は左足でリズムをとりながら打つなど、打席内で工夫が見られる。
「タイミングの取り方を変えて見て、動いていないところから動き出すのと、体が動いてから振り出す方がタイミングがあうというか、今の取り方の方がまっすぐにも早いタイミングが取れるような感じがしているので、今のようなタイミングの取り方になりました」。
実戦経験を積む中で、タイミングの取り方を変更した方がいいと思い、今の形に落ち着いたのだろうかーー。
「そうですね、一人で自主練習しているときにタイミングの取り方とかいろいろとやってみて、一番あっているというか、タイミングが取りやすかったというか、まっすぐのマシンで一番タイミング取れたのがあの形でした」。
自分で考えて、打撃フォームを変更したことに意味がある。プロの世界で生き抜く上で、もちろんコーチや先輩の助言を聞くのも大事だが、自分で考えて“自分の形”を見つける“自分を知っている”選手の方が活躍している傾向だ。
「試合後に反省をし、(試合後の)バッティングを一人でやったりしてから、次の日とか結構いい感じの打撃ができている気がします。次の日が試合のときとかは、なるべく一人で打撃練習することを取り入れていますね」。
試合後に一人で行う打撃練習で意識していることについて村山は「タイミングの取り方を意識しています。バットが下から出ちゃうところがあるので、レベルスイングというか、ボールの軌道にバットを入れられるようなレベルスイングのような形を意識してやっています」と教えてくれた。
捕手だけでなく一塁でも出場
守備面では本職の捕手だけでなく、一塁でも9試合に出場する。現状では5試合出場の捕手よりも、一塁での出場の方が多い。
「ファーストは経験が浅いので難しいんですけど、高校時代も少しやっていたポジション。どのポジションでもしっかりこなして、試合に出させてもらっていることに感謝してやっています。いろんな経験が大事だと思っているので、全てが経験だと思って頑張っています」。一塁のポジションにも前向きに挑戦している。
捕手では試合終盤に出場することが多く、4月21日の西武との二軍戦では4-3の9回から出場した。この試合、横山陸人の球を後ろに弾き、失点に繋がるミスをしてしまった。
「21日の試合は1点差という大事な場面で出させてもらって、ミスをしてしまった。これも経験だなとコーチや先輩にも言われたので、21日の試合の経験、反省をいかして今後は自分のなかで変われたらいいなと思います」。
将来は“打てる捕手”として期待のかかる村山。打撃面では、「長打力が売りなので、ピッチャーのまっすぐのタイミングにしっかり合わせられるようなバッターになって、そこから変化球の対応とかやることはたくさんあるんですけど、打者はそういうところを目指してアピールできればいいなと思います」と意気込む。
守備では「キャッチャーをやっていくなかで、投手のコミュニケーション、投手の球に慣れないところもあるので、そういうところもしっかり受けながらやっていって、終盤の場面でも緊張しない心構え、経験を積んでしっかりやっていきたいと思います」と決意を述べた。
今は将来に向けて経験を積んでいる段階。成功や失敗もあるなかで、“同じミス”を繰り返さないために、時に先輩やコーチにアドバイスをもらいながら、自分で考え試行錯誤していく時間が重要だ。その先に、支配下選手登録、“打てる捕手”という未来が待っている。今の時間を1分1秒無駄にすることなく、大切に過ごしてほしい。
取材・文=岩下雄太