○ DeNA 7 － 1 中日 ●
＜5回戦・横浜＞

　DeNAはバッテリーの活躍が打線にも火を付け、連敗を4で止めることに成功した。

　勝利のポイントのひとつは、今季未勝利だった先発・大貫晋一が初回のピンチを無失点で切り抜けたことが大きかった。

　初回、いきなり先頭の鵜飼航丞に二塁打を許し、続く岡林勇希のバント処理で二塁手・牧秀悟が一塁ベースカバーに遅れ、無死一・三塁のピンチを招いてしまう。

　しかし、3番・石川昂弥をスプリットで空振り三振、ダヤン・ビシエドを投ゴロに押さえ、阿部寿樹には四球を許したが、6番・高橋周平を見事なバックドアのスライダーで見逃し三振。立ち上がりの大ピンチを無失点で切り抜けた。

　大貫は初回から22球を費やしたものの、2回以降は立ち直りテンポいい投球を披露。3回には女房役の嶺井博希が1号先制2ランをレフトスタンドへ叩き込み、ゲームの流れを引き寄せた。

　結局、大貫は2回から6回まで死球の走者ひとりしか許さぬ好投で6回無失点とゲームメイクし、今季初勝利（1勝1敗）を手にした。

　試合後のヒーローインタビューでは、バッテリー2人でお立ち台に上がり、大貫は「嶺井さんのリードに引っ張ってもらい、いいピッチングが出来た」と笑顔。嶺井も「調子があまり良くない中、丁寧に丁寧に投げてくれたことが勝ちにつながった」と称え合っていた。

　嶺井はその後の取材で、「勝ちにつながってくれてホッとしています。先取点が欲しかったところで先制できて嬉しかったです」と殊勲の一打を振り返り、大貫には「しっかりとコーナーに投げてくれたのでゲームを作ることが出来た」と感謝。結果的に勝負の分かれ目となった初回の高橋周のバックドアに関しては「あの場面でよくあそこに投げてくれた」と、ファールで粘られるなか投げきった1球を評価していた。

　三浦大輔監督も「立ち上がりノーアウト（一・三塁）のところ、よく踏ん張ったと思います。大貫自身も乗っていけたと思いますし、嶺井も本当にいいリードをしながらよく粘ったと思います。配球も含めてバッテリーでよく攻めた」と初回のピンチを切り抜けたバッテリーを高評価。

　嶺井の本塁打については、「流れを一発で掴めた。思い切りの良さと、大貫もよく粘っているのもわかっていたし、先制できたってことで嶺井も乗って行けたと思います」と価値ある一打を賛えた。

　オープン戦から調子よく、開幕投手の候補にも名前が上がっていた大貫の片目が開き、嶺井は3年ぶりの一打で連敗を止めた三浦ベイスターズ。あすはこの勢いに乗って、4カードぶりの勝ち越しを決めたい。


取材・文・写真＝萩原孝弘（はぎわら・たかひろ）