○ DeNA 10 － 2 中日 ●
＜6回戦・横浜＞

　五月晴れの横浜スタジアムに4本の花火が打ち上がり2桁得点で中日に大勝。カード勝ち越しを決め、借金を4に減らすことに成功した。

　昨日一昨日と中日は先発投手が左だったが、この日は右腕の福谷浩司とあって、スタメンに投手を含む7人の左打者が並ぶメンバーで挑んだ三浦采配が的中した。初回から1番・楠本泰史が相手失策で出塁し、一死後に佐野恵太が四球でチャンスを広げると“不動の4番”牧秀悟が右中間最深部に7号3ランを放ち先制。

　1点を返された直後の4回には、ネフタリ・ソトの二塁打に続く形で、戸柱恭孝、倉本寿彦、柴田竜拓の左トリオが3連打で加点。悪いながらも粘りのピッチングで踏ん張っていた先発・坂本裕哉の打順で切り札・藤田一也を早くも代打起用。ベテランは期待に応える左前適時打を放ち、一気にゲームの流れを引き寄せた。

　投げては、坂本の後を受けたベテラン右腕・平田真吾が5回を三者凡退と好投。イニングを跨いだ6回はもの6点リードがあったが、二死満塁のピンチを迎えると、三浦大輔監督は左の岡林勇希に対し左腕・砂田毅樹を投入。結局無失点で切り抜けることに成功し、徹底して相手に流れを渡さぬ采配が光った。

　その後は5回に牧秀悟の2点適時二塁打、8回には戸柱恭孝、倉本寿彦が連続本塁打のあと、“パンチ力もある足のスペシャリスト”宮本秀明にもルーキーイヤー以来となる本塁打が飛び出し、スタンドはお祭り騒ぎとなった。

　7回からイニングを跨いで無失点と好投した入江大生が嬉しいプロ初勝利を挙げ、同期入団の牧と共にお立ち台に上がり「最高です！」と満面の笑み。牧は「（寮の）お風呂で一緒にお立ち台に」と語っていた夢が叶ったと喜び、ベイスターズファンから大きな祝福の拍手が送られていた。

　三浦監督も「最初に牧がいい形で先制してくれましたし、1点取られたすぐ裏に下位打線で繋げてすぐ点が取れたことで、相手に流れを渡さずに掴んだまま、中押しダメ押しといい形で終われた」と攻撃面を振り返り「下位打線で点が取れたことは今後に繋がっていくし、繋げていかなくてはいけない」と、宮﨑敏郎離脱後のウイークポイントだった6番以降の打順にも光明を感じ取っているようだった。

　また、オフに右肘にメスを入れて復帰し、貴重な中継ぎとして今季未だ無失点の平田には「出た試合はしっかりと抑えてくれていますし、出ない試合であってもカバーでブルペンで待機してくれている」と称え、「平田だけでなくみんな待機しながら頑張ってくれています」と苦しむ先発陣を埋める働きを続ける中継ぎ陣にも感謝した。

　投打ともに収穫の多いゲームに満足げな表情を見せた三浦監督。明日からは今季6戦6敗の広島戦で今季初白星を挙げ、5月攻勢の反撃の号砲を上げる。


取材・文・写真＝萩原孝弘（はぎわら・たかひろ）