味方の拙守にも動じず
巨人はエース・菅野智之の粘りのピッチングで連敗を「5」でストップ。再び3位に浮上した。
雨が降りしきるなか先発マウンドに上がった菅野は、初回先頭の桑原将志を左飛に打ち取ったかと思われたものの、左翼手・ウォーカーがこの打球の目測を誤り左二塁打としてしまう痛恨のミス。犠打を挟んで3番・楠本泰史に適時二塁打を許し、わずか4球で先制を許してしまった。
さらに、4回に右翼手・ポランコがソトの飛球をグラブに当てながら落球(記録は右二塁打)、5回には二塁手・廣岡大志が関根大気のゴロをファンブル(記録は失策)するなど、味方の拙守に足を引っ張られる場面もあったが、要所を締めてゲームメイク。
6回先頭の牧秀悟に二塁打を打たれ無死二塁のピンチを招いた場面では、ソトと大和を連続三振に斬ってとり、敬遠気味の四球を挟んで対峙した代打・藤田一也も空振り三振。一打同点のピンチを3三振で切り抜け、マウンド上でガッツポーズを見せた。
菅野は右肘違和感からの復帰登板で6回5安打1失点。味方の失策などでピンチを背負いながらも粘りのピッチングでチームに勝利をもたらした。
12日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した大矢明彦さんは「足元が悪いゲームだったのでちょっと厳しかったと思うんですけど、とにかくピンチの場面でバッターを揺さぶって揺さぶって三振でしっかり切り抜けるというところが菅野らしさが今日は出たかなと。何よりも良かったのはボールを低く投げられていたこと」と投球内容を振り返った。
同じく解説を務めた笘篠賢治さんも「チームが連敗を止めたいと思っているところで止められるのはやっぱりエースですね」と称賛した。
MCを務めた高木豊さんは「今日は野手にかなり足を…両足を引っ張られてましたらからね。(それでも勝てるのは)やっぱり、本来の力なんでしょうね」と味方のミスにも動じずにピンチを切り抜けたエースを称賛。
大矢さんも「あれを失点につなげないところがね。外野手のミスはランナーも進むので(投手はダメージが大きい)、ワンアウト(取った)と思ってミスが出るので。今日はほんとうに粘り強いピッチングでした」と同調。
続けて「初回のショートがミスした時、ウォーカーはバック(ステップ)を踏んでいる。あれをまず直さないと。一回下がって前に来ると余計に遠くなっちゃうので。(エラーの映像を見たら)ショートも大変だったなと。(ウォーカーの守備力を考えると)これは捕りに行かないとってなってしまう」と苦言を呈した。
高木さんは「やっぱり守備がね…今日の巨人はほんとに破綻していた。セ・リーグで一番エラーが多いんですけど、菅野だから今日は勝ったと思うんですよ。だから、ジャイアンツがオーダー組む時に攻撃重視か守り重視かどっちにするのか」と疑問を投げかけると、大矢さんは「今だったら先に点が欲しいので攻撃重視でいいんじゃないですかね。ある程度点が取れたら守備を固めていく。そういう考えになるんじゃないですかね」と、守備にはある程度目をつぶって点を取りに行く原監督の方針を支持した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』