ロッテが楽天に5-2で勝利し、1カ月ぶりの連勝、5カードぶりの勝ち越しを決めた。
楽天との3連戦が始まる前ロッテは、本拠地・ZOZOマリンスタジアムで2位・ソフトバンクに3タテを食らうなど4連敗中で敵地・楽天生命パークに乗り込んだ。なんとか流れを変えたい初戦、記録は内野安打もショート・エチェバリアが代打・銀次の打球をさばききれず守備のミスから先制点を許すと、打線も田中将大の前に抑え込まれ完封負け。
楽天との3連戦も3連敗を覚悟したなかで、2戦目に岡大海、福田秀平の適時打で3点を挙げ、このリードを投手陣が守りきり3-1で勝利。3戦目も2回に岡の第2号2ランで先制すると、4回にはこの日再昇格を果たしたマーティンのフェンス直撃二塁打をきっかけにエチェバリアの適時二塁打が飛び出し追加点をあげ、主導権を握る。
先発・美馬学は5回に2点を失い、6回も一死二、三塁のピンチを招いたが黒川史陽を二ゴロ、辰己亮介を中飛に打ち取った。二、三塁という場面で、捕手の松川虎生が黒川、辰巳に対してフォークを5球連続で要求し、そこに投げきった美馬。6回のピンチを“0”で切り抜けたバッテリーは素晴らしかった。
3-2の7回に髙部瑛斗の二野選で貴重な4点目を挙げたが、無死二塁から松川がバントを2球連続ファウルで追い込まれるも、1ボール2ストライクからきっちり投手前にバントを決め、二塁走者のエチェバリアを進められたことも大きかった。松川はここまで5個バントを決めているが失敗は0。この日は2球連続でバントをファウルにしてしまったが、それ以外の4つはファーストストライクで送りバントを決めている。守備だけでなく、バットでの貢献度も高い。
4-2の8回にはレアードが4月9日のオリックス戦以来となる“幕張スシ”。昨年も4月終了時点で2本塁打だったが、5月に9本放った。この1本をきっかけに本塁打を量産していきたいところだ。
リリーフ陣も7回・東條大樹、8回・ゲレーロ、9回・益田直也が無失点に抑え逃げ切った。打線の軸となるマーティンに復帰後初安打、レアードに1カ月ぶりの本塁打が飛び出し、追加点を挙げた。課題だったリリーフ陣も11日の試合で西野勇士が1点を失ったものの、2試合ともリードを守り切った。マーティン、レアードが復調し、足を絡めた攻撃で得点が増え、先発がゲームを作ってリリーフ陣で逃げ切るという昨年までの形ができれば勝利は増えていく。
◆ 今夜の継投策に注目
13日からは4位・オリックスと京セラD大阪で3連戦。オリックスもロッテと同じように打線が苦しんでおり、1点勝負が予想される。それだけに、投手陣の出来がカギを握りそうだ。初戦の予告先発は佐々木朗希だ。佐々木は4月24日のオリックス戦(京セラD大阪)以外は、全て6イニング以上投げている。東條、守護神・益田が連投中ということもあり、1イニングでも長く投げたい。
佐々木だけでなく、リードしていた場合、どういう継投策になっていくかも注目のひとつだ。昨季は1点を争う試合が多かったことに加え、9回で打ち切りということも関係していたのか、守護神の益田は3連投が5度(全てオールスター明けの後半戦)あったが、基本的には直近2年は3連投、1週間に4試合以上の登板が非常に少なく、1週間の登板管理がされていた。
今季も右肘のトミー・ジョン手術明けの西野はここまで連投が1度もなく、12日の試合は3点リードの8回にゲレーロがマウンドに上がった。益田、東條が連投中ということを考えれば、11日の試合で勝ち試合で登板した小野と西野、12日の試合で勝ち試合で登板したゲレーロの3人で、7回以降は逃げ切る形が現実的か。また、9回で決着がつかず延長戦に入ったときに、9回までにリリーフ陣を多く投入していた場合、益田と東條の起用があるのかも気になるところ。
ちなみに、益田がベンチ外で西野が前日に登板していた4月27日の楽天戦は、3-1の7回に登板した廣畑敦也が同点弾を浴びたが、中村稔弥、小野、ゲレーロ、田中靖洋、小沼健太、東條が無失点に抑え、引き分けたということもあった。佐々木朗希が一人で投げきれるのが理想ではあるが、勝っていた場合の継投策も注目だ。
スタートダッシュに失敗し、借金は10日終了時には「9」まで膨れ上がったが、前カードの楽天戦ではロッテらしい戦いが、少しずつではあるができてきた。まずはオリックスとの3連戦の初戦を取って、勢いを加速させたい。
文=岩下雄太