2022.05.13 18:00 | ||||
オリックス・バファローズ | 1 | 終了 | 4 | 千葉ロッテマリーンズ |
京セラD大阪 |
● オリックス 1 - 4 ロッテ ○
<7回戦・京セラドーム大阪>
開幕から打線が低調だったロッテだが、“これぞマリーンズ野球”という攻撃が随所に光った。
まずは初回。1番・髙部瑛斗がセンター前の安打で出塁し、二塁盗塁を決めると、2番・中村奨吾は四球を選び、3番・佐藤都志也がきっちりと初球で送り、一死二、三塁。4番・レアードのライトへの浅いフライで、三塁走者の髙部が生還し幸先よく先制。二塁走者の中村もオリックスのライトがホームに送球している間に三塁へタッチアップした。
1-0の3回も先頭の髙部が四球と盗塁で無死二塁とすると、中村が一塁線を破るライト前の適時打で追加点。中村は二塁走者の髙部を三塁へ進めようと、右方向を意識した打撃だった。
8回の得点は、昨年まで見せてきた嫌らしい攻撃だった。2-1の8回、先頭の髙部が四球を選ぶと、続く中村はバスターを試みるも空振りしてしまう。それでも、髙部が二塁盗塁を決め、チャンスを広げた。中村は遊ゴロで髙部を三塁へ進める。ここで3番・佐藤は1ボール1ストライクから富山が投じた3球目、これまで全くスクイズをするそぶりを見せなかったが、一塁方向へ犠打。三塁走者の髙部が生還し、ノーヒットで貴重な追加点を奪った。続く4番・レアードが左中間スタンドに豪快な一発でトドメを刺した。
この日ロッテが放った安打数は5本だったが、足を使い、送るところはきっちりと送り、そして、レアードの一発と、相手が嫌がるような攻撃をやり続けた。1番の髙部は2安打2四球と全打席で出塁し、盗塁を決めた初回、3回、8回はいずれも得点に繋がった。中村も3回の適時打に、8回は2番打者として走者を進める打撃、佐藤も初回に送りバントを初球で決め、8回に1ボール1ストライクからスクイズを決めた。4番・レアードの一発を含め、上位打線は素晴らしい働きだった。
得点には繋がらなかったが、途中出場した三木が2打席連続で初球で送りバントを決め、岡大海も7回はエチェバリアの中飛で三塁にタッチアップ、9回もエチェバリアの右飛で三塁にタッチアップした。1点を掴み取るために、“1つ先の塁”を狙い続けた。
佐藤は今季5個犠打を決めているが、失敗は1度もなし。4月17日の日本ハム戦で初球に見逃しストライクはあったが、そのほかは初球、もしくは5月13日のオリックス戦の8回、それまでバントのそぶりを見せず3球目にスクイズを決めるなど比較的犠打を得意にしている印象だ。
昨年行ったオンライン取材で犠打について佐藤は「自信はありますし、なんとか進塁して点が入ったら自分のバントがいきたなと。チームとしての評価もありますし、自分のなかでは展開、状況によりますけど、やらせにきた球は初球から絶対に決めようという気持ちはすごくある。追い込まれると難しい部分はあるので、決められるようにと思ってやっているつもりです」と明かしている。
途中出場ながら2つの犠打を決めた三木は、試合のフリー打撃で最初にバント、バスターを入れている。19年の試合前打撃練習では、「普通のバスターだったら打たないですけど、バスターエンドランが出たと想定してやった」と外寄りのボール球に体を投げ出してバスターをしたり、「セーフティスクイズであったりそういうサインが、出てくる状況ではある。準備ですよね」とセーフティバントを行うこともあった。試合を想定した準備を何年も続けているからこそ、途中出場という難しさがあるなかで、追加点が欲しいプレッシャーのかかる場面でも犠打を初球で決めることができるのだろう。
マリーンズらしい攻撃が戻り、リリーフ陣も益田がベンチ外のなかで、西野勇士、ゲレーロがゼロに抑えた。3連勝とチーム状態が上向きつつある。今日は山本由伸との対戦で苦戦が予想されるが、守りきる勝つ野球ができれば、さらに勢いがつきそうだ。
文=岩下雄太
<7回戦・京セラドーム大阪>
開幕から打線が低調だったロッテだが、“これぞマリーンズ野球”という攻撃が随所に光った。
まずは初回。1番・髙部瑛斗がセンター前の安打で出塁し、二塁盗塁を決めると、2番・中村奨吾は四球を選び、3番・佐藤都志也がきっちりと初球で送り、一死二、三塁。4番・レアードのライトへの浅いフライで、三塁走者の髙部が生還し幸先よく先制。二塁走者の中村もオリックスのライトがホームに送球している間に三塁へタッチアップした。
1-0の3回も先頭の髙部が四球と盗塁で無死二塁とすると、中村が一塁線を破るライト前の適時打で追加点。中村は二塁走者の髙部を三塁へ進めようと、右方向を意識した打撃だった。
8回の得点は、昨年まで見せてきた嫌らしい攻撃だった。2-1の8回、先頭の髙部が四球を選ぶと、続く中村はバスターを試みるも空振りしてしまう。それでも、髙部が二塁盗塁を決め、チャンスを広げた。中村は遊ゴロで髙部を三塁へ進める。ここで3番・佐藤は1ボール1ストライクから富山が投じた3球目、これまで全くスクイズをするそぶりを見せなかったが、一塁方向へ犠打。三塁走者の髙部が生還し、ノーヒットで貴重な追加点を奪った。続く4番・レアードが左中間スタンドに豪快な一発でトドメを刺した。
この日ロッテが放った安打数は5本だったが、足を使い、送るところはきっちりと送り、そして、レアードの一発と、相手が嫌がるような攻撃をやり続けた。1番の髙部は2安打2四球と全打席で出塁し、盗塁を決めた初回、3回、8回はいずれも得点に繋がった。中村も3回の適時打に、8回は2番打者として走者を進める打撃、佐藤も初回に送りバントを初球で決め、8回に1ボール1ストライクからスクイズを決めた。4番・レアードの一発を含め、上位打線は素晴らしい働きだった。
得点には繋がらなかったが、途中出場した三木が2打席連続で初球で送りバントを決め、岡大海も7回はエチェバリアの中飛で三塁にタッチアップ、9回もエチェバリアの右飛で三塁にタッチアップした。1点を掴み取るために、“1つ先の塁”を狙い続けた。
佐藤と三木が2犠打
佐藤は今季5個犠打を決めているが、失敗は1度もなし。4月17日の日本ハム戦で初球に見逃しストライクはあったが、そのほかは初球、もしくは5月13日のオリックス戦の8回、それまでバントのそぶりを見せず3球目にスクイズを決めるなど比較的犠打を得意にしている印象だ。
昨年行ったオンライン取材で犠打について佐藤は「自信はありますし、なんとか進塁して点が入ったら自分のバントがいきたなと。チームとしての評価もありますし、自分のなかでは展開、状況によりますけど、やらせにきた球は初球から絶対に決めようという気持ちはすごくある。追い込まれると難しい部分はあるので、決められるようにと思ってやっているつもりです」と明かしている。
途中出場ながら2つの犠打を決めた三木は、試合のフリー打撃で最初にバント、バスターを入れている。19年の試合前打撃練習では、「普通のバスターだったら打たないですけど、バスターエンドランが出たと想定してやった」と外寄りのボール球に体を投げ出してバスターをしたり、「セーフティスクイズであったりそういうサインが、出てくる状況ではある。準備ですよね」とセーフティバントを行うこともあった。試合を想定した準備を何年も続けているからこそ、途中出場という難しさがあるなかで、追加点が欲しいプレッシャーのかかる場面でも犠打を初球で決めることができるのだろう。
マリーンズらしい攻撃が戻り、リリーフ陣も益田がベンチ外のなかで、西野勇士、ゲレーロがゼロに抑えた。3連勝とチーム状態が上向きつつある。今日は山本由伸との対戦で苦戦が予想されるが、守りきる勝つ野球ができれば、さらに勢いがつきそうだ。
文=岩下雄太