「全然ダメでした」と反省しきり
オリックスの宮城大弥投手(20)が15日、本拠地で行われたロッテ戦に先発登板。
4月20日のソフトバンク戦(京セラD大阪)以来となる約1カ月ぶりの白星を挙げた。
高卒2年目の昨季は23試合に登板して13勝4敗、防御率2.51で新人王に輝いた左腕。ところが今季はここまで7試合に登板して2勝2敗、防御率は4.61。苦しむ姿を見せている。
15日の試合も6回1/3を投げて被安打7に四球が1つ、7奪三振で5失点という内容。中嶋聡監督も「最初はまあまあかなと思った」としつつ、「途中でちょっとボールが逆球だったり、高かったり。最後の回は追い込んでからとか……」と、イニング途中で交代に踏み切った経緯を語る。
宮城は「全然ダメでした」と反省を口にし、「初回は良いとしても、その後からかんたんに先頭を出してしまったり……。特に7回のはじめ、2球でかんたんにストライクを取って、3球目が一番甘くなって打たれた。そして次のバッターにタイムリーというのが、本当に悔しいなと思います」と、悔しさを込めながら具体的な課題についても言及した。
一方で、味方が逆転した直後の6回表はレオネス・マーティンから山口航輝、岡大海という3人を3者連続三振。「しっかり構えたところに投げることができた。押せるところは押せた感じはします」と言い、この回については手ごたえも口にした。
それでも、「自分自身としては反省することしかない。次に向けてもっと良いピッチングができるように頑張りたいと思いますし、今回は野手の方々にたくさん点を取ってもらったので感謝したい」とやはり大きいのは“反省”の方。次回の巻き返しを誓う。
この日は故郷である沖縄の本土復帰50年という節目の日だったこともあり、「できたらもっと良い活躍をしたかった」と語った20歳。期待が大きいだけに求めるものも大きくなるが、今回のマウンドもテンポ良くキレ味の鋭い変化球を投げ込む持ち味は見られていた。制球面などの反省はしっかりと活かしつつ、気付いた修正点を克服していけば、きっと宮城らしい投球が戻ってくるはずだ。
また、久々となる味方の大量援護を呼び込んだのも“宮城らしさ”。適時打を放った選手からは「宮城が頑張っているので」という言葉も多く聞かれた。頼れる先輩たちを信じて自分の投球を展開すれば、自ずと勝ち星も増えていくことだろう。
初戦こそ落としたものの、山本由伸と宮城大弥の2人で2連勝。左右の両輪が勝利投手となり、カード勝ち越しを決めることができたのはチームにとっても大きい。
良い形で5月の折り返しを迎えただけに、ここから5月後半で怒涛の巻き返しとなるか。今後の戦いぶりに期待したい。
取材・文=どら増田