効いた先制パンチ、有吉はほろ苦いデビューに
相手を上回る11安打を放ちながら、結果は3-5……。
DeNAはちぐはぐな攻めと序盤での失点が響き、ヤクルトを相手に連敗。カード勝ち越しを逃した。
横浜スタジアム初見参となった先発・有吉優樹は初回、先頭の塩見泰隆に死球を与えてしまうと、続く山崎晃大朗には粘られた末に右中間突破の一打。適時三塁打で失点を喫し、さらに4番・村上宗隆の二ゴロの間に山崎がホームイン。いきなり2点のビハインドを背負う。
直後に味方が1点を返したが、2回にも長岡秀樹の安打を皮切りにピンチを招き、塩見の適時打で3失点目。この日は4回までで63球、被安打4と与四死2の3失点でマウンドを降りた。
右腕は「立ち上がりは思うような投球ができませんでしたが、3回・4回は自分の持ち味を出せたと思います」と語ったが、先発の一角獲りへアピールすることはできなかった。
打線も初回に1点を返して以降は苦しみ、2回と3回は無死二塁、4回は二死二塁のチャンスを逸する拙攻。
5回に牧秀悟がこの日2本目の適時打を放って相手先発・吉田大喜をマウンドから引きずり降ろしたが、なおも一死一・二塁というチャンスは代わった木澤尚文の球威に抑え込まれて追加点を奪うことができなかった。
「気持ちをひとつにして…」
試合後、三浦大輔監督は有吉について「良くはなかったですね。立ち上がりは緊張感があったと思いますけど、(塩見への)死球も慎重になりすぎたのか……」とコメント。なかでも「初回の2点も痛かったですが、(点を取った後の)2回の1点も痛かった」とし、反撃ムードに水を差した失点を指摘する。
攻撃面では、2打数2安打で3打点と気を吐いた牧について「マークがきつい中で、昨日やられた分も2安打に四球を含め3打点とよくやってくれています」と語り、前日の4の0・2三振から立ち直った主砲を評価しつつ、「チャンスを活かすことができなかったですね。自分たちのモノにできていない」と再三の得点機逸を振り返った。
交流戦前最後の試合を落とし、17勝23敗のリーグ5位で交流戦前の5位で交流戦を迎えることになった三浦ベイスターズ。
「レギュラーシーズンを反省し、良いスタートを切れるようにやっていきます」と指揮官。つづけて「交流戦で戻ってきてくれる選手もいるし、もう一回選手・コーチと気持ちをひとつにして臨んで行きたいと思います」と、言葉に力を込めた。
昨年同様、交流戦をキッカケに上昇気流に乗っていくことができるか。DeNAの交流戦は本拠地・横浜スタジアムで、ソフトバンクとの対戦から幕が開く。
取材・文=萩原孝弘