「特殊球」で巨人打線を翻弄
阪神が本拠地で巨人に連勝。カード勝ち越しで24日からの交流戦へ弾みをつけた。
22日の試合は、4月6日以来の登板となった伊藤将司が8安打を浴びながらもゼロを9つ並べる力投。プロ初完封で今季初白星を掴んだ。
コロナからの復帰に時間を要した2年目左腕だが、久々の一軍マウンドで躍動。三者凡退は2回と7回だけと、常に走者を背負う展開になりながら、まさに要所を締める投球を展開していく。
9回は一死から吉川尚輝と岡本和真に連打を浴びてピンチとなったが、グレゴリー・ポランコには良い当たりを弾き返されるも中飛。二死一・三塁となり、中田翔も中飛でゲームセット。9回111球の熱投だった。
22日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説陣も伊藤将の初完封を祝福。左腕はもちろんだが、長坂拳弥とのコンビネーションを絶賛した。
齊藤明雄氏は「チェンジアップがコントロールよく決まっていた」と振り返り、「ストレートは力があった中、コントロールが良くなかった。その中でも力で押していくことができたのはチェンジアップが良かったから」と、好投を呼び込んだボールを解説する。
また、「カーブもちょっとストライクが取れなかったので、捕手の長坂がそれを察知して切り替えていたのも良かったと思う」と女房役のリードについても言及。
同じく番組に出演した高木豊氏も「巨人の打者たちが遅いボールに対して意識過剰になりすぎていた」とし、「まっすぐにほとんどの打者が詰まっていた。岡本があそこまで詰まるのもなかなか見ない」とも。「特殊球があるのは大きいし、長坂がそれを加味した良いリードをしていた」と、使える球種を見極めながら緩い球を有効に使った捕手のインサイドワークを称えた。
「きのうも良いリードが光ったので、しばらく長坂はありかなと」と齊藤氏。
正捕手・梅野隆太郎が離脱する苦しい状況の中、ディフェンス面で存在感を発揮する6年目・28歳に注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』