「覚えることは多いが、逆に言えば楽しみ」
日本ハムは5日、甲子園で阪神に敗れてカード3連敗。
この日は高校時代にこの舞台で躍動した吉田輝星が“聖地凱旋”の先発登板も、結果は3回4失点。今季2度目の先発は厳しい結果に終わった。
初回は一死から連打を浴びるも踏ん張り、2回も先頭の安打の後を併殺で切り抜けて無失点。ゼロを並べて勢いに乗って行くかに見えた。
しかし、3回も先頭の投手・伊藤将司に安打を浴びてしまい、二死から近本光司の安打でピンチとなると、佐藤輝明には甘く入った速球を弾き返されて失点。つづく大山悠輔にはインハイの速球をレフトポール際に叩き込まれ、一気に4点を失った。
今季2度目の先発登板は3回を投げて55球、打者15人に対して四死球はゼロも7本の安打を浴び、3奪三振で4失点。今季初の黒星がついている。
5日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した野村弘樹氏は、吉田の投球から2つの課題を挙げた。
まずは「左打者」の対応。この日許した7安打のうち、投手の伊藤を含む6本が左打者に浴びたもの。右打者に打たれた唯一の安打が大山の3ランだった。野村氏は「左打者のアウトコースを狙ったボールが高く、ことごとく内に入っていた」と、外いっぱいを攻め切ることができなかった点を苦戦の要因として強調した。
また、「ほとんどまっすぐとフォークだけだった」という配球面にも言及。今季はリリーフがメインだったため少ない球種で押していく投球が目立ったが、同じく番組に出演した真中満氏も「先発であれば目先を変える緩いカーブなど、幅を広げていけば打者は絞りづらくなる」と、打者目線からコメント。番組MCを務める岩本勉氏も「緩急の使い方は場数を踏みながら覚えていくところ」と、先発投手目線でのアドバイスを送った。
特に左打者に対する「制球力」と、長いイニングを投げるうえで打者を惑わせる「緩急」という2つの課題。それでも、真中氏は「覚えることは多いが、逆に言えば楽しみでもある」と、まだまだ伸びしろを残す21歳に大きな期待を寄せている。
2018年のドラフト1位で日本ハムに入団してから、これまでの3年は先発としてローテーションに定着することが叶わず、迎えた4年目の今季はリリーフとして一軍に定着。ステップアップした中で再び先発に挑み、こうした課題が見つかるというのは、背番号18の今後のキャリアにとっても大きな収穫となることだろう。
思い出の地・甲子園での経験が今後のさらなる飛躍の足掛かりとなるか。吉田輝星の次の登板から目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』