◆ 「まずは打っていくこと」
中日が3カード連続の勝ち越し。
5日の試合は先制を許しながらも10安打で7点を奪い、逆転・中押し・ダメ押しの横綱相撲でパ・リーグ首位のソフトバンクを押し切った。
チーム10安打のうち、ひとりで3本の安打を放ったのが3年目の岡林勇希だった。
2打席目までは凡退も、5回先頭の第3打席でセンターへの安打をマーク。連続試合安打を4に伸ばすと、阿部寿樹の適時打で生還。追加点のホームを踏む。
さらに6回は二死二塁のチャンスでライトへの適時打を放ち、8回には二死一・三塁からレフトへ7点目の適時打。3安打・2打点の躍動でチームに勝利を呼び込んだ。
高卒3年目の今季はすでにキャリアハイの56試合に出場し、打率.252で失敗なしの8盗塁と奮闘中。俊足と強肩を活かした守備でもチームに貢献している。
5日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した野村弘樹氏は「投手からすると、打たれるだけでなくセーフティーもあるかなとか。塁に出せばもちろん足も警戒しなければならないし、いろいろなことを考えさせられる選手」と、投手目線から厄介な部分を語る。
この日の3安打についても「これだけ広角に打たれると投手は苦しい。彼の良さがどんどん出てきている」と語り、試合を重ねていく中での成長ぶりにも言及した。
現役時代にリードオフマンとして活躍した真中満氏も、「出塁率を上げて行きたいところですが、まずは打っていくこと。相手がかんたんに行けないぞと警戒を高めることで、四球も増えてくる」とさらなるレベルアップに向けたポイントをアドバイス。
現在のところ打率.252はリーグ21位と下位にいるが、この日見せたような打ち分けができれば自然と率も上がってくることだろう。疲れも溜まってくる中、若さに経験をプラスしてここから数字を伸ばしていくことができるか。竜の背番号60から目が離せない。