山本「追いつかれてしまって悔しいです」
オリックスは11日、延長11回・4時間19分の死闘を落として阪神に2連敗。
前のカードから4連敗となり、2カード連続の負け越しが決まった。
2019年9月13日のソフトバンク戦以来となる“満員御礼”で行われた“関西ダービー”。オリックスは先発のエース・山本由伸が7回まで完封ペースの好投を見せ、打線も初回の中川圭太と5回の宗佑磨の適時打で2点を援護。終始リードして試合を進めていった。
ところが8回、二死から近本光司に内野安打で出塁を許すと、佐藤輝明には変化球をライトに弾き返され、佐野皓大がダイレクトキャッチを試みるも一歩届かず打球を後逸。この間に一塁から近本が還り、打った佐藤も三塁へ。適時三塁打で1点差とされてしまう。
なおも二死三塁で大山悠輔との対戦中、2ボール・1ストライクから投じたフォークを捕手の伏見寅威が後逸。三塁から佐藤が還り、2-2の同点に追いつかれた。
試合はそのまま延長戦へ。迎えた11回、4番手の本田仁海が先頭の佐藤に安打を許すと、大山は外野フライに打ち取るも、一死から代走で出ていた熊谷敬宥が盗塁を敢行。阻止しようとした伏見の送球が熊谷のヘルメットに直撃。外野に抜けて行ったボールをセンターの福田周平が拾って本塁に返すも、熊谷は一気に生還。勝ち越し点を与えてしまう。
その裏、一死から代打で出た吉田正尚の安打などで一死一・三塁とチャンスを作ったが、この日もあと一本が出ず。2-3で敗れ、オリックスは阪神に2連敗。関西ダービーの負け越しが決定した。
先発した山本は「立ち上がりから徐々に感覚も良くなっていきましたし、全体的には悪くなかったと思う」と振り返りながら、「8回のところで粘り切れず、同点に追いつかれてしまって悔しいです」と同点での降板を悔やむ。
中嶋聡監督も「余力は残していたんですけど、最後にああいう形で失点してしまった。良いピッチングをしていたんですが、もったいなかったですね」と8回の失点についてコメント。
つづけて「逃げ切りたい……まあそうですよね。今日に関してはミスがすべて点に絡んだ」と試合を総括しながら、佐藤の適時三塁打のシーンについては「(佐野も)なんとか捕ろうと、押さえようとしたんでしょうけど、そこは練習して押さえられるようにしなきゃいけない。守備が上手い分、そこはやってもらおうと思います」とし、精一杯のプレーだったことを強調した。
一方、15安打を放ちながら2得点に終わった打線については「なんとかうまく行くようにやらなきゃいけない。それがこっちの仕事」とし、代打での出場となった吉田正尚については「こっちは出したくてしょうがないんですけど、なかなか計算通りにいかないというか」と、ここぞのチャンスで起用したい胸の内を明かしながら、そういった展開にならないもどかしさを語った。
8勝9敗で迎える交流戦の最終戦。勝てば勝率5割で交流戦を締めくくり、借金2からリーグ戦を再開することができる。嫌な流れを断ち切ることができるか、14時開始の“関西ダービー”第3戦から目が離せない。
取材・文=どら増田