チームトップのOPSを記録
巨人の新助っ人アダム・ウォーカーが、チームにとって欠かせない戦力となりつつある。
開幕当初は特徴的なドレッドヘアが目立ち、お世辞にも上手いとは言えない守備が度々話題に挙がったが、この3カ月の間で評価がガラッと変わってきた。
なにより、打撃での貢献度が高い。
6月21日からのDeNA戦では、本塁打を含む3安打の固め打ち。翌日の試合でも本塁打を含むマルチ安打を記録し、23日の第3戦も5打数2安打。これで打率は.299(234-70)となり、3割も目前だ。
また、OPS.878も丸佳浩や岡本和真を押さえてチームトップ。リーグ4位の好成績となっている。
本塁打も3・4月は3本に留まっていたが、5月に6本塁打とペースを上げると、6月もすでに6本塁打。トータルでは15本となり、シーズン30発の大台も十分に狙えるだろう。
だが、巨人の「自前」で「右打ち」の外国人選手を振り返ってみると、“30発”というのが大きな壁となっている。
セ・リーグでは巨人だけ…
長い歴史を誇る巨人において、「自前の右打ち外国人選手」がシーズン30本塁打を超えたことは一度もない。
ちなみに左打ちを含めても、30発の大台を超えたのは1984年から1986年まで3年連続で30本塁打以上を記録したウォーレン・クロマティだけである。
セ・リーグ全体で見ても、「自前の右打ち外国人選手」で年間30発超えが一人もいないというのは巨人だけ。
この2010年以降で見ても、ヤクルトにはウラディミール・バレンティン、広島にはブラッド・エルドレッド、DeNAにはネフタリ・ソトがおり、中日ではトニ・ブランコとアレックス・ゲレーロの2人が大台を超えている。阪神は少しさかのぼることになるが、それでも1989年にセシル・フィルダーが38本塁打をマークした。
巨人もこれまで「右の長距離砲候補」として、メジャーで本塁打王の獲得経験があるジェシー・バーフィールドや、メジャー通算80本塁打のシェーン・マック、同92本塁打のホセ・ロペスなどを獲得してきた。しかし、日本でシーズン30本塁打という壁を超えた選手は一人もいない。
そんな中、メジャー経験がないアメリカ独立リーグ出身のウォーカーが、初めてその扉を破ることになるかもしれないというのは興味深い。
早くも独走態勢に入ろうとしている首位・ヤクルトを追いかけていくためにも、ウォーカーのさらなる活躍は必要不可欠。
このまま本塁打を量産し、チームを引っ張ることで、球団史にその名を残すことができるだろうか。
文=BASEBALLKING編集部