○ ロッテ 3x - 2 オリックス ●
<12回戦・ZOZOマリン>
ロッテは2-2の11回に髙部瑛斗がライト前に適時打を放ちサヨナラ勝ち。表のヒーローがサヨナラ打を放った髙部、攻守に躍動した捕手の松川虎生ならば、影のヒーローはピンチの場面もありながらも、7回以降無失点に抑えたリリーフ陣ではないだろうかーー。
先発・美馬学は2-0の6回に2点を失ったが、リズムの良い投球で6回・84球、2失点と試合を作る。同点の7回からはリリーフ勝負となった。
7回に登板した東條大樹は先頭の杉本裕太郎に四球を与え、続く中川圭太に送られ得点圏に走者を背負うが、安達了一を遊ゴロ、マッカーシーをバックドアのスライダーで見逃し三振に仕留めた。
8回にマウンドにあがったゲレーロも先頭の伏見寅威に二塁打を浴びたが、捕手・松川が飛び出した三塁走者の代走・小田裕也を刺す好守備などもあり1回を無失点に抑える。
9回は守護神・益田直也が危なげなく三人で打ち取った。試合は9回で決着がつかず延長戦へ。ロッテは今季延長戦の勝敗が試合前まで2勝7敗1分と大きく負け越し、リリーフ勝負となったところで勝ち切ることができていない。
そんな中で、10回・小野郁、11回・オスナも無失点に抑える好リリーフで、11回裏に髙部がサヨナラ打を放った。
◆ リリーフ陣の充実
延長戦に入るとリリーフ陣の手薄さが目立ってしまうところがあったが、この日は先発した美馬がしっかり6回まで投げたこと、前日に先発した佐藤奨真が6回を投げたこと、ビハインドの場面で登板した八木彬が2イニングを投げ、勝ちゲームだけでなくビハインドゲームでも投げる小野が連投していなかったことで、10回に小野を託すことができた。
27日以降の戦いに目を向ければ、“勝利の方程式”が連投中のときに勝ちパターンで投げる西野勇士の登板がなかったことで、仮に27日のソフトバンク戦で勝ち試合、延長戦になった場合に投入することが可能だ。西野は、右肘トミー・ジョン手術から本格復帰となる今季連投がないことを考えれば、27日のソフトバンク戦は投手起用の選択肢が広がる。
開幕してからここまで延長戦で勝負弱かったが、26日のオリックス戦のように先発投手が6回まで投げ、リリーフ陣が連投中でなければ、投手陣の層を見るとリリーフ勝負、延長戦で勝ち切る確率が高まっていきそうだ。もちろん、同点の時に打線が延長戦になる前に打ってくれると嬉しいが。
そう考えると、リリーフ陣は開幕の頃に比べて、充実してきたといえる。気になる点があるとすれば、東條の登板数、小野が勝ちゲーム、ビハインドの展開でも投げていることによる疲労か。ただ、昨季勝利の方程式を支えた唐川侑己が二軍の実戦に復帰し、佐々木千隼も二軍で安定した投球を見せている。新加入のオスナの起用法を含め、首脳陣には勝負の8、9月にパンクしないようなブルペン環境を作っていって欲しいところだ。
文=岩下雄太