6月に入って3度目の先発も…
日本ハムは西武との2連戦に連敗。
29日の試合では吉田輝星が今季4度目の先発マウンドに登ったが、3回3失点で降板となり3敗目(1勝)がついた。
今季は3月27日の初登板で先発マウンドに登り、以降はリリーフで奮闘。9試合連続無失点をマークするなどブルペンに定着したが、6月に入って甲子園の阪神戦で先発に挑戦。また1試合のリリーフ登板を挟み、前回登板は地元・秋田で行われた楽天戦に先発と、めまぐるしく持ち場が変わっている4年目右腕。この日は今季初の「2試合続けての先発登板」となった。
ところが初回、先頭の川越誠司にいきなり四球を与えてしまうと、源田壮亮の二塁打で無死二・三塁の大ピンチ。3番・森友哉には初球をレフトに弾き返され、一気に二者が生還。10球で2点を失ってしまう。
2回は先頭に四球を与えながら無失点で切り抜けたが、3回も先頭の愛斗にレフト線を破られる二塁打でまたピンチ。二死三塁とするも、森に2打席連続の適時打となる二塁打を浴びて追加点。この回を投げきったところで降板となってしまった。
3回を投げて45球、被安打4も2四球で1奪三振の3失点。この日は持ち味の速球が高めに浮くシーンも目につき、暴れるボールを抑えようとすると球威が失われて弾き返されるという悪循環に苦しんだ。
29日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説陣は、吉田輝星のこれまでの起用法に注目。MCの野村弘樹氏は「リリーフと先発では調整方法がまったく違いますからね。現状ではビジョンが見えてこない」とし、選手のためには一貫した指針を示していくべきだと語る。
番組に出演した江本孟紀氏は「根尾に似てない?」とシーズン途中で投手に転向することになった中日・根尾昂の名前を挙げ、「使い方が難しいのかな。先発が良いのか、リリーフが良いか。とりあえず今はいろいろ投げさせてみて、どこが良いのかという。迷っている感じ」と、現状を分析した。
金足農高時代には甲子園のスターとして日本中を沸かせ、2018年のドラフト1位で入団したスター候補。ここ3年は一軍の壁に苦しんだ中、今季はキャリアハイを大きく更新する24試合登板と、徐々に一軍で戦う体力と精神力を身につけつつある。
あとはチームがこの逸材をどのような投手に育てていくのか。今一度そのビジョンを明確に打ち立てることが、チームにとっても吉田自身にとっても重要なポイントとなりそうだ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』