初のオールスター
「前半戦良い結果が出て、こうして選んでいただけるまでになったことを嬉しく思いますし光栄なことだと思います。選んでいただき、感謝をしたいです」。
プロ7年目のロッテ・東條大樹が監督選抜で、自身初となるオールスターに出場することが決まった。
18年終盤に思いきり投げすぎないこと。力の入れ具合を上手くみつけられたこと、19年に入ってから体の使い方、余分な力を入れずに投げられるようになったことで一軍に定着し、54試合に登板して大ブレイク。しかし、昨季はわずか5試合・防御率5.40で、4月21日の日本ハム戦を最後に一軍登板がなく、シーズンの大半をファームで過ごした。
昨年の8月に30歳となり、30代に突入。「年齢もそうですし、体の状態もそうですし、いろんなものを含めて少しずつ変えていっています」と年齢に応じて臨機応変に対応する。19年当時は体の使い方、余分の力を入れずに投げていたが現在は「体幹の力を使って投げることを意識してやっています」とのことだ。
開幕から安定した投球を披露
今季を迎えるにあたって、シーズンオフの自主トレでは、「ストレートあってのピッチングなので、ストレートの強さは意識してやっていました」とストレートの強化に励んだ。
期待の若手が多く、春季キャンプはB組みスタート。練習試合、オープン戦でも一軍の登板機会がなかなか巡ってこなかった。
それでも、オープン戦も終盤となった3月16日の広島とのオープン戦で一軍の実戦初登板を果たすと、昨年二軍で過ごすなかで高校時代以来久しぶりに投げ好感触を掴んだカーブ、右打者だけでなく左打者にも大きく曲がるスライダー、力強いストレートで1回、10球、0被安打、1奪三振とインパクトの残る投球を見せた。
開幕一軍を勝ち取ると、ビハインドゲームで結果を残し、徐々に勝ち試合での登板を増やしていき、5月4日の西武戦以降は勝ちゲームの7回を担当している。4月27日の楽天戦から6月1日のヤクルト戦にかけて15試合連続無失点に抑え、現在も5試合連続無失点中だ。
開幕から安定した投球を続ける要因にストレートの強さが戻ったこともそうだが、これまで課題にしていた左打者を抑えられるようになったことも大きい。ストレート、スライダー、カーブ、そしてシンカーをうまく投げ分け、左打者の被打率.208(77-16)と抑え込む。
今季ここまでの活躍が認められ、プロ7年目にして初めて掴んだ夢舞台。「当日は初めての舞台で楽しみながらプレーできたらと思います」。リーグ2位の39試合に登板し、勝ち試合だけでなく時にビハインドの7回にもマウンドに上がるなど、後半戦に向けて疲労も気になるところだが、オールスターを楽しみながらセ・リーグの強打者たちをねじ伏せて欲しい。
▼ 東條のここまでの成績
39試 2勝2敗22H0S 防1.67
文=岩下雄太