「ノーヒッターも行けたんじゃないかというくらい」
オリックスが敵地でソフトバンクに勝ち越し。
先発した山﨑福也は7回2失点の好投で、6月2日以来となる久々の白星を掴んだ。
初回にいきなり周東佑京に安打を浴び、犠打で一死二塁とピンチを迎えた左腕。それでも牧原大成を内野ゴロに打ち取り、二死三塁となって柳田悠岐は空振り三振。これで勢いに乗った。
2回から4回までは一人の走者も許さない快投で、5回に連続三振で二死を奪った後、柳町達に久々の安打を許したものの、リチャードを三振に斬って5イニング無失点。6回までゼロを並べた。
2-0で迎えた7回は一死から柳田に安打を許し、つづくアルフレド・デスパイネに2ランを被弾。試合を振り出しに戻されてしまったが、直後の8回表に紅林弘太郎が値千金の勝ち越し弾。奮闘した左腕に勝利投手の権利がもたらされた。
8回は阿部翔太が2三振を奪って3人斬り、9回は平野佳寿が10球で締めて3-2の逃げ切り勝ち。オリックスがこのカードの勝ち越しを決めた。
山﨑福也は7回を97球、被安打4で無四球・8奪三振の2失点。痛恨の被弾で1カ月ぶりの勝利が幻となりかけたが、最後は味方に助けられて今季の3勝目(6敗)を掴んだ。
14日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した五十嵐亮太氏は、「見入っちゃいましたね……」と左腕の投球を絶賛した。
この日の山﨑については「とにかくテンポが良かった」と総括しつつ、「決め球にはフォークがあって、カウント球ではチェンジアップだったり、90キロ台のスローカーブですね。これらをポイントで上手に見せながら速球を投げ込むと。両コーナーにしっかりと投げることができたうえで、緩急もうまく使えていた」と解説。「初回、いきなり周東に安打は打たれたんですが、それがなければノーヒットノーランも行けたんじゃないかというくらい」と賛辞の言葉を並べた。
被弾のシーンについては「相手の読みが上手だった」と経験豊富なデスパイネの“待球”に屈したと振り返ったが、結果的に失点はこの2点だけ。
攻撃では2度のエンドラン失敗もあった中、「山﨑投手の投球が良かっただけに、オリックスベンチとしてはなんとか追加点が欲しいと思っての作戦だった。ただ、ふつう2度も失敗があると相手に流れが行くものですが、そんな中でも我慢しながら投げていましたね。そこも含めてすごかった」とし、一発以外は文句のつけようがなかったと強調した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』