左右の両輪が離脱、この窮地を救うために…
日本ハムは17日、本拠地で西武に3-4で惜敗。
7月7日から続いていた連勝は「7」で途切れた。
勢いのままに初回に2点を先制した日本ハム。先発・伊藤大海も5回までゼロを並べ、8連勝に向けて視界良好……かに見えた。
ところが6回、先頭の愛斗に安打を許すと、四球と安打でたちまち無死満塁の大ピンチ。ここで伊藤は外崎修汰に対してストライクが入らず、4球で押し出しの四球を与えてしまう。
ベンチはここで継投を決断。河野竜生がブライアン・オグレディを空振りの三振に斬って一死としたが、ジャンセン・ウィティにはライトまで運ばれて犠飛。2-2と試合を振り出しに戻された。
なおも二死ながら一・二塁のピンチで、川越誠司はあわや本塁打かというライトフェンス直撃の一撃。この間に二者が還り、この回一気の4失点。逆転まで許してしまった。
2点差の9回は平良海馬から1点を返し、なおも二死満塁で野村佑希が良い当たりを打ち返したが、これはライトの真正面。反撃及ばず3-4で敗れ、連勝は「7」でストップした。
17日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した日本ハムOBの岩本勉氏は、「5回まではほぼ完ぺきと言って良い投球。ところが6回に突然乱れたんですよね」と6回の乱調について分析。
要因については「おそらく、ブルペンだったりこの1週間の調整過程でとても良い調子を作り上げることができていたと思う」と“調子が良かった”ことを挙げつつ、「そのため、走者が出ても『今日の調子ならこう投げていけばアウトが取れる』というような大胆な考えが浮かんでいたのかなと」と推察する。
その“大胆さ”が時には落とし穴にもなるのが勝負の世界。岩本氏も「相手も2巡目、3巡目になってくると考えてきます。すると、その“大胆さ”が“大雑把さ”に急変したりもするんですね。そういった部分で突然乱れ、制御しきれなかった分、痛い思いをしたのかなと」と、自身の経験も踏まえながら解説した。
「5回の時点では伊藤が勝ち星の権利を持っていて、黒星は相手の平井だった。それが1イニングでひっくり返ってしまう。とても悔しかったと思いますよ」と岩本氏。
これには番組に出演していた江本孟紀氏も「私もしょっちゅうありましたよ」と笑いながら、「ただ、こういったところをしのいで勝って行かないと、どこかで狂いが生じてくる。こういったところをいかにしのぐかが、これからの課題になってくるでしょうね」とアドバイス。
チームは昇り調子の中、ここに来て上沢直之と加藤貴之という左右の両輪にアクシデントが直撃。そんな時だからこそ、伊藤大海の右腕にかかる期待も大きくなる。
今回の経験を糧に、またひと回りもふた回りも成長した姿を見せることができるか。背番号17の逆襲に注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』