2位に10ゲーム差をつけて独走状態のドジャース

◆ あすからメジャーは後半戦へ

 メジャーリーグはオールスターを終え、日本時間22日からいよいよ後半戦がスタート。

 前回はア・リーグ各地区の優勝争いを占ったが、今回はナ・リーグ編だ。

◆ 東地区

 東地区は、メッツとブレーブスによる一騎打ちの様相を呈している。

 現在首位に立っているのはメッツの方で、その差は2.5ゲーム。6月1日時点ではメッツが10.5ゲーム差をつけていたが、ブレーブスが6月に14連勝を記録するなど、21勝6敗の好成績を残して一気に差を詰めた。目下の勢いならブレーブスだが、シーズン終盤まで優勝争いはもつれる可能性が高そうだ。

 2強に食い込む可能性があるとすれば、メッツと8.5ゲーム差のフィリーズだろう。

 このチームも6月は好調で、1カ月間で11個の貯金をつくった。ただし、メッツとの直接対決は3勝9敗と大きく負け越しており、残り7試合でどれだけ反撃できるか。

 借金を5つ抱える4位・マーリンズは、ワイルドカード争いが精いっぱいだろう。

◆ 中地区

 中地区も東地区と同様、“2強”の争いになっている。

 首位・ブリュワーズと2位・カージナルスの差は僅かに0.5。5月下旬にブリュワーズがいったんは抜け出したに見えたが、6月前半に8連敗を喫したのが痛かった。

 カージナルスは4月から3カ月連続で月間勝ち越しを記録したが、7月はここまで7勝9敗と黒星が先行している。

 投手力・打撃力ともにそれほどの差はない2チームだが、大きく異なるのが監督のキャリアだ。

 ブリュワーズのクレイグ・カウンセル監督は、酸いも甘いも味わってきた8年目のベテラン指導者。一方で、カージナルスを指揮するのは36歳のルーキー、オリバー・マーモル監督。選手としては一度もメジャーに上がれなかったが、監督として1年目からチームを優勝に導くことはできるか。

 3位以下の3チームは、ワイルドカード争いでもすでに10ゲーム以上離されており厳しい状況。

 2強がその3弱からどれだけ貯金をつくれるかもカギとなりそうだ。

◆ 西地区

 西地区は、ドジャースが2位・パドレスに10ゲーム差をつけて独走態勢に入っている。

 特に強固なのが先発投手陣である。エースのクレイトン・カーショーは7勝2敗といつも通り。そんなカーショーを上回る活躍を見せているのが、11勝0敗のトニー・ゴンソリンと10勝1敗のタイラー・アンダーソン。抑えのクレイグ・キンブレルが安定感を取り戻せば、ドジャースの死角はほぼなくなるだろう。

 ダルビッシュ有が所属するパドレスは、6月中旬に一度は地区首位に立ったが、その後はドジャースの快進撃について行くことができず一気に離されてしまった。

 それでも、貯金は10個つくってワイルドカード争い2枠目をキープしている。

 そのパドレスを2.5ゲーム差で追うジャイアンツは、1点差の試合で12勝19敗と勝負弱い面を克服したい。

 ドジャースとはまだ13試合の直接対決を残しているが、どこまで差を詰められるか……。

 ナ・リーグは東地区と中地区の優勝争いが最後まで楽しめそう。

 後半戦も熱い戦いに期待したい。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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八木遊

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