「本気で投げたのは3~4回」
ソフトバンクは21日、本拠地で楽天に7-0で快勝。
前夜は3-17という屈辱的な大敗を喫したが、この日はエース・千賀滉大が8回無失点の快投を披露。チームを勝利に導いた。
初回は四死球で走者を背負いながらも無失点。6回には安打と珍しいボーク、さらに四球で無死一・二塁というピンチを迎えたが、浅村栄斗を空振り三振に仕留め、島内宏明を併殺で危なげなく無失点。スコアボードにゼロを並べていく。
球数100球を超えた状態で迎えた8回も3人で斬り、この日はここまででお役御免。7-0の9回は藤井皓哉が3人で締め、千賀に今季8勝目がついた。
8回・125球の熱投。4安打に3四死球と走者は出しながら、8奪三振で無失点というエースのピッチング。この試合で防御率が「1.70」となり、パ・リーグ防御率ランキングのトップに躍り出た。
21日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説陣も、千賀のピッチングを絶賛。その中で大久保博元氏と齊藤明雄氏が「勝てる投手の資質」について言及した。
「8イニング投げて、本気で投げたのは3~4回くらいだったと思います」と大久保氏。「いや、もちろん本気で投げているんですけど、その中でもギアを上げて、投げる瞬間のインパクトに力を込めたのはそのくらい」とし、リミッターを解除して投げるのは限定的になると持論を展開。
「すべて全力で125球も投げていたら壊れてしまうので。下位打線だったり、調子の悪い相手の時は少し力感をセーブしながらコントロールして投げて、走者が出たら力を込める。その切り替えができるのが勝てる投手だなと」と語り、千賀の投球から垣間見えた“エースの資質”について言及した。
現役時代は投手だった齊藤氏も「私の場合は多くて4回くらい意識することがあったかなと」と振り返りつつ、「初回の先頭打者は最初からギアを入れて行くぞとか、あとは2巡目の先頭打者だったり、勝ち投手の権利を得たら6回の先頭とか」と、ゲームの流れによってポイントは変わってくるとコメント。
長いイニングを見ながら投げ進める先発投手の場合は、相手や展開を見ながらの「オン/オフ」が不可欠。日本を代表する投手が、その資質を改めて示したマウンドだった。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』