ニュース 2022.07.26. 10:33

益田、東條、小野…ロッテの前半戦ブルペン陣を振り返る

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ロッテの選手たち (C) Kyodo News

抜群の安定感を誇った東條と小野


 勝利を積み重ねていくうえで、非常に重要になってくるのがリリーフ陣。ロッテは前半戦、救援防御率リーグ5位の「3.63」ではあったが、5月以降勝利の方程式の形が見え始め、“勝ちパターン”で投げるリリーフの層は厚くなった。

 昨季は東京五輪明けの後半戦、7回・国吉佑樹、8回・佐々木千隼、9回・益田直也の勝利の方程式が確立され、その前を唐川侑己、東妻勇輔などが務め、2年連続2位に入った。今季を迎えるにあたって国吉、佐々木、益田の勝利の方程式に加え、新外国人のゲレーロ、東妻、唐川、田中靖洋、西野勇士、若手の横山陸人、新人の八木彬と廣畑敦也など、リリーフ陣の質、量ともに昨季より上がっていくと思われた。

 いざ開幕すると、唐川、佐々木が出遅れ、国吉も状態が上がらず、勝ちパターンだけでなく、リリーフ陣全体の運用に苦労した。特に延長戦に入ると、なかなか勝てず4月終了時点で延長戦の成績は1勝5敗1分。ロッテが2年連続Aクラス入りした要因のひとつに“ブルペンの強さ”だっただけに、立て直しが急務だった。

 開幕直後不安定だったリリーフ陣のなかで開幕から存在感を示していたのが、東條大樹と小野郁の2人。東條と小野は開幕直後ビハインドゲーム、同点の場面を中心に投げ、東條は3・4月11試合・9イニングを投げて0勝1敗3ホールド、防御率2.00の成績を残し、小野も3・4月は8試合・7回1/3を投げて3ホールド、防御率1.23。

 東條は5月4日の西武戦から勝ち試合の7回を担当するようになり、小野も5月4日の西武戦で今季初めて3点差以内でリードしている勝ち試合の6回に登板した。小野はその後、先発が5回で降板したあとの勝ち試合の6回、東條が連投中のときには勝ち試合の7回、大量リードした場面の9回、1、2点ビハインドの展開で登板など、様々な場面でマウンドに上がっている。


流動的だった勝ち試合の8回


 勝ち試合の7回・東條、9回・益田という形が決まったが、8回は流動的だった。ゲレーロは4月19日の西武戦から5月27日の阪神戦にかけて12試合連続無失点に抑え、守護神・益田が連投中のときには勝ち試合の9回を任されるなど、“8回の男”を掴みとったかのように見えたが、7月に入ってからはビハインドゲームの8回の登板が多い。それでも、守護神・益田が連投中でベンチ外だった7月19日の西武戦では、6月22日以来となるホールドがつく5-3の8回に登板した。

 6月9日に入団したオスナは6月24日のオリックス戦で来日初登板を果たすと、6月26日のオリックス戦で2-2の11回に登板し、その裏に髙部瑛斗がサヨナラ打を放ち移籍後初勝利。7月6日の日本ハム戦で初めて勝ちゲームの5-4の8回に登板。この登板以降は、オスナが8回を投げ、7月19日の西武戦では守護神・益田が連投中でベンチ外だったこともあり、5-3の9回にマウンドにあがり来日初セーブをマークした。

 5月以降勝ちパターンの形が見えてきたのも、勝ち試合の9回に益田という不動の守護神がいることも大きい。失点してしまう登板もあるが、きっちりとリードを守りきりチームを勝利に導いている。“守護神・益田”がいるからこそ、その前を投げる投手が流動的でも、シーズン序盤なんとか勝ち星を拾うことができたのだ。

 現状では勝ち試合の6回・小野、7回・東條、8回・オスナ、9回・益田、この4人の誰かが連投となれば、西野勇士、ゲレーロも勝ちパターンに組み込まれ、7月19日の西武戦のように8回・ゲレーロ、9回・オスナで逃げ切るという形もできた。勝ち試合で投げられる投手が、複数人いるというのは大きな武器になるだろう。


後半に向けた課題


 後半戦に向けて不安材料、課題もある。東條、小野の2人がやや投げさせ過ぎなのは気になるところだ。東條は7月、19試合中11試合に登板し、そのうち5試合はビハインドゲームの7回に登板している。1日の楽天戦、5日の日本ハム戦、19日の西武戦は結果的に勝利したから良かったが、目先の勝利にこだわるあまり、大事な終盤戦に疲労が残らないか心配だ。

 小野も役割的に勝ち試合だけでなく、ビハインドでも投げるリリーフということもあり、5月3日(火)の週、5月31日(火)の週、7月18日(月)の週は1週間に4度登板した。ちなみに昨年、前半戦に1週間に4登板以上した投手は益田と田中靖洋が1回だけだったことを考えると、小野はやや投げすぎの傾向にある。

 また優勝するためには、ビハインドゲームを立て直すロングリリーフの存在も必要だ。昨年は前半戦、佐々木千隼がこの役割を担い、何度も試合終盤にチームは逆転した。今季は先発が早いイニングで降板した後投げるリリーフ陣も打ち込まれるケースが多い。中村稔弥、小沼健太、八木彬などはベンチ外になることも多く登板間隔が空き、久しぶりの登板で打たれるということもあった。

 先発が打ち込まれた後、試合を立て直すことができれば逆転も見えてくる。7月23日の日本ハム戦で佐々木千隼が4-5の4回から2回を無失点に抑え、その間に味方が逆転に成功し勝利投手になった。こういう試合を拾えるようになるとチームの白星も増えてくる。ロングリリーフを含めたビハインドで投げるリリーフの質を上げ、負け試合でも東條をはじめとした勝ちパターンに依存しすぎないようにしたい。

 右肘トミー・ジョン手術明けの西野は開幕から連投は1度もなく、大事に起用されているが、いまひとつその役割が見えてこない。交流戦までは勝ち試合で投げることが多かったが、交流戦明けは極端に登板数が減少。ビハインドゲームで投げることもある。西野を上手く使っていけば、東條と小野の負担も減っていくのではないだろうか。

 ロッテがリーグ優勝するためにも、ある程度の得点力も必要になってくるが、リリーフ陣の出来不出来が大きく関係してくる。特に今季は前半戦を終えた時点で首位・ソフトバンクから5位・オリックスまで2.5ゲーム差で、どこが優勝してもおかしくない。リリーフ陣が厚くなってきた今、シーズン最終盤を見据えた登板管理、運用をしていって欲しいところだ。

▼ 主な救援陣の投球成績
益田直也 38試 0勝1敗8H23S 防2.61
東條大樹 44試 3勝2敗25H0S 防1.69
小野 郁 38試 0勝0敗15H0S 防1.80
ゲレーロ 36試 3勝3敗18H3S 防3.67
西野勇士 24試 1勝2敗11H0S 防1.90
オ ス ナ 11試 2勝0敗5H1S 防0.82

▼ 3連投した投手(移動日挟む3連投は含まない)
オスナ(7月17・18日のソフトバンク戦・19日の西武戦)

▼ 1週間に4登板以上した投手
小野郁(5月3日〜の週、5月31日〜の週、7月18日〜の週)
益田直也(6月7日〜の週)
ゲレーロ(6月7日〜の週)
東條大樹(6月7日〜の週)
オスナ(7月18日〜の週)

文=岩下雄太

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