初球宴でMVPを獲得!
「プラスワン投票」で選出された夢の球宴で、日本ハム・清宮幸太郎が魅せた。
26日にPayPayドームで行われた『マイナビオールスターゲーム2022』の第1戦。同点の9回二死で打席に入ると、2ストライクまで追い込まれながら、森下暢仁の154キロをレフトのテラス席まで叩き込んだ。
すべてを持って行くサヨナラ弾でMVPに輝くと、翌日に松山で行われた第2戦では「1番・三塁」で先発出場。第1打席で安打を放っただけでなく、守備でも三塁・一塁・左翼の3ポジションで好プレーを見せて球場を盛り上げた。
今季の清宮は打率こそ.226(243-55)とやや低調だが、ここまでチームトップの11本塁打をマーク。21二塁打も野村佑希と並ぶチームトップタイだ。
高校通算111本塁打の長打力はやはりダテではない。高卒5年目にしてついに開花の兆しを見せており、特にキャリアハイをすでに更新している本塁打数をどこまで伸ばすことができるのか。大きな注目が集まっている。
ちなみに、現在日本ハムに所属している選手で、シーズン20本塁打以上を記録したことがある選手は一人もいない。
現メンバーでは近藤健介(2021年)と渡邉諒(2019年)が記録した「11本塁打」が最多で、清宮はそこに肩を並べている。
狙うは張本勲氏超え?
覚醒の気配を見せている一方で、2017年のドラフト会議で7球団が競合した逸材であることを思えば、まだまだこの数字では物足りなさも感じる。
今季の飛躍を足掛かりにして、この先毎年パ・リーグの本塁打王争いを繰り広げるような和製大砲へと成長していかなければならない。
そんな清宮に目指してもらいたい目標のひとつが「シーズン30本塁打」である。
日本ハム(前身球団含む)の歴史を振り返ってみると、清宮と同じ「高卒」の「左打者」による「シーズン30本塁打」の達成は、NPB通算最多安打の記録を持つレジェンド・張本勲氏しかいない。
張本氏は1959年に日本ハムの前身である東映フライヤーズに入団。3年目には首位打者を獲得し、4年目に初めて30本の大台を超える31本塁打を放った。
以降、4度にわたりシーズン30本塁打を達成。1973年に33本塁打を放ったのが、日本ハム球団として最後の「高卒・左打者によるシーズン30本塁打」となっている。
昨年メジャーリーグで本塁打王争いを繰り広げたあの大谷翔平(現・エンゼルス)でも、日本ハム時代は2016年の22本が最多。30本に達したことはない。
新球場のオープンを2023年に控え、チームの新たな顔となるためにも、球団史に名を刻むような勲章が欲しいところ。
まずは勢いに乗った状態で迎える後半戦で、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。清宮幸太郎のバットに注目したい。
文=BASEBALLKING編集部