「1点をもぎ取りたいという気持ちは分かりますが……」
阪神は敵地でDeNAに3連敗。
初戦は今永昇太を前に2点、2戦目は濵口遥大を前に0点。そして11日のゲームは石田健大から1点と、打線が左投手に苦しめられた。
その中で気を吐いたのが、この3連戦を通して「6番・左翼」に入った陽川尚将だ。
初戦では2回に今永から先制点となる適時打を放てば、2戦目は濵口から左安と二塁打の2安打。そして3戦目も第1打席で石田から内野安打を放ち、オマケに9回にもエドウィン・エスコバーから右安打。“左キラー”ぶりをいかんなく発揮して見せた。
ちなみに、今季の陽川は20試合の出場で打率.333(30-10)を記録。なんと10本の安打はすべて左投手から放ったもので、対左の打率は.476(21-10)という驚異的な数字になっている。
それだけに、解説陣が思わず首を傾げたシーンが7回表にあった。
1-1の同点のこの場面。球数100球が迫る石田に対し、先頭の糸原健斗がフルカウントから四球で出塁。ここで打席に入った陽川に課せられた使命は“犠打”だった。
変化球を三塁方向に転がして仕事を果たしたが、一死二塁のチャンスは梅野隆太郎が三振、木浪聖也が一ゴロで攻撃終了。チームは裏に3点を勝ち越され、そのまま1-4で敗れた。
11日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した平松政次氏は「陽川はこの3試合ずっと打っていたんですよ。ここでバントはないだろうなと思っていたんですが……」と意外な作戦だったとコメント。
1-1の同点だったとはいえ、「1点をもぎ取りたいという気持ちは分かりますが、打順も次が7番で下位へと向かって行くところ。ちょっともったいないなぁと思って見ていましたね」と自身の考えを述べる。
同じく番組に出演した田尾安志氏も「いま阪神で一番左投手を打てている打者。送って代打と考えても、やっぱり陽川が一番可能性のある打者だと思う」と同調。
コロナ禍直撃で苦しいチーム事情ではあるが、ここはその相性の良さを勝って“強行”に出ても良かったのではないか……。ゲームのポイントとなったシーンを振り返った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』