◆ 「1球で捕らえよう」
DeNAはホームで巨人に4-3で勝利。
同一カード3連勝で、本拠地・横浜スタジアムでの連勝を「14」に伸ばし、首位迎撃ムードをさらに加速させた。
先発したフェルナンド・ロメロは4回に先制を許したが、直後の4回裏に先頭の佐野恵太が巨人先発・戸郷翔征のストレートを捕らえ、ライトスタンドに叩き込む一発。すぐさま同点に追いつく。
5回にグレゴリー・ポランコの2点適時打で勝ち越されたものの、6回に牧秀悟の適時二塁打で反撃の狼煙を挙げ、さらにネフタリ・ソトの押し出しで再び試合を振り出しに戻した。
終盤8回には伊勢大夢が巨人の中軸をオール三振で片づける好リリーフ。するとその裏、佐野がこの日2本目となる一発をライトスタンド上段に叩き込み勝負あり。最終回は山﨑康晃がしっかりと抑え、3連勝の瞬間を迎えた。
殊勲の佐野は「好投手なのは何度も対戦してわかっていることなので、打てる球は1打席に数少ないと。1球で捕らえようというのは試合前から意識していました」とコメント。
決勝本塁打には「失投を捕らえることができた。そういうことが最高の結果につながったのかなと思います」と胸を張った。
◆ 指揮官は全員野球を強調
三浦大輔監督は佐野に対し「本当に頼りになるキャプテンですよ。ここぞというところで打ってくれますから見事です。素晴らしい」と第一声。
つづけて「キャプテンとしてチームを引っ張ってくれていますし、グラウンドでも今日みたいなところでしっかり決めてくれる。お見事です!」と絶賛していた。
また、指揮官は殊勲打の佐野だけではなく、全員で掴んだ勝利だと強調する。
「中川虎大が抑えて、また勢いをつけてくれた。あそこで失点していると展開も変わってきたところ。新しい力がブルペンに出てきてくれれば、これからの連戦でリリーフも厚くなってくる。そのくらいのピッチングを見せてくれた」と語り、6回の1イニングを無失点で抑えた22歳の右腕を高評価。
昨日は吉川尚輝のエラーからソトが本塁打、この日もポランコと坂本勇人のお見合いと、相手のミスを確実に点に変えたことも挙げ、「チャンスと捕らえて、ベンチはガッと一気に盛り上がりますし、ああいうところで集中ができている」と分析した。
加えて、ディフェンス面にも触れながら、「先頭で1人出ると、流れ的にもどうなってくるかわからないところをアウトにしてくれています。みんなでカバーしながら、助け合いながら一球に集中できているなと感じます」とそれぞれの準備や連係についても強調。「派手さはなくても、できるようになってきた事が大きいですね」とし、精度の高い守りも好調の一因となっていると語った。
目下絶好調のチームは「リードされても暗くならない。さぁ行くぞってところでね。出てる選手も控えの選手も一緒に声かけて準備もしてくれてますし、本当に全員で戦えている」とムードも最高潮。
「いい流れで来ている」とニヤリと笑う指揮官は、週末のカープ戦も一気に連勝を狙っていく。
取材・文=萩原孝弘