リリーフ陣が大量離脱も…
ロッテは残り「36」試合で、首位・西武と6.5ゲーム差の5位というなかで、最終盤に向けてリリーフ陣がかなり強力なものになっていきそうだ。
救援防御率だけをみれば「3.50」と 救援防御率「3.24」だった昨季に比べるとやや物足りなく映るかもしれないが、リリーフ陣の厚みという意味ではここにきて昨季に匹敵するくらいの質になってきたのではないだろうかーー。
勝ち試合の7回を務めていた東條大樹が7月25日、勝ち試合やビハインドゲームなどで登板していた西野勇士が7月26日、開幕から様々な局面で投げていた小野郁、トレードで加入した坂本光士郎が8月3日に新型コロナウイルス陽性判定を受け、特例2022で一軍登録抹消。さらに現在一軍復帰しているが、ゲレーロが8月4日(5日に一軍復帰)、オスナが8月3日(11日に一軍復帰)に特例2022で一軍登録抹消していた。
これだけリリーフ陣が離脱すれば、台所事情がかなり苦しくなることが予想される中で、昨季勝ちパターンを務めた佐々木千隼と国吉佑樹が復調気配。佐々木千は後半戦に入って2敗喫しているが、11日のソフトバンク戦では2-3の4回から登板し2回を無失点に抑える好リリーフを見せるなど、8月は4試合・4イニングを投げて防御率2.25。代替指名選手として8月4日に昇格した国吉は、再昇格後3試合に登板ししていずれも無失点に抑えた。新人の廣畑敦也、八木彬もビハインドゲームでしっかりと結果を残している。
そして、昨季開幕直後勝ちパターンを務めた唐川侑己の復帰が何よりも大きい。打者の手元で小さく曲がるカットボールを中心に打者を打ち取っていく投球スタイルは健在で、6-5の7回に登板した19日の楽天戦では、7球全てカットボールで三者凡退に抑えた。唐川が19日の楽天戦で勝ち試合の7回を危なげなく3人で抑えたことで、開幕からフル回転していた東條、小野らが復帰したときには負担が減り、状況に応じて使い分けることも可能になる。
19日の楽天戦では6-5の9回、リーグ2位の25セーブをマークする益田直也ではなく、オスナが登板。鈴木大地に安打を許したが、後続を打ち取り逃げ切った。1点リードのなかで7回・唐川、8回・ゲレーロ、9回・オスナの継投で逃げ切ったことは今後に繋がっていきそうだ。益田の状態がやや気になるところではあるが、長年マリーンズのブルペンを支えてきたことは事実。残り36試合というなかで、経験、実績のある益田には1日も早く復調して欲しいところ。
特例2022で一軍登録抹消となった東條は8月19日の日本ハムとの二軍戦、西野は8月14日のヤクルトとの二軍戦で実戦復帰。西野は実戦復帰2戦目となった19日の日本ハムとの二軍戦、王柏融を空振り三振に仕留めた141キロのフォークはストライクゾーンからボールゾーンにストンと落ち、ストレートもスピードガン以上の強さを感じた。
今週も17日のオリックス戦が雨天中止になるなど、やや変則的な日程だが、来週以降は23日の西武戦から7連戦、5連戦、3連戦、9月10日(土)から6連戦、4連戦、9月22日(木)から7連戦とさらに変則的な日程だ。8月29日のソフトバンク戦、9月12日の日本ハム戦、9月19日の日本ハム戦、9月26日のソフトバンク戦はいずれも月曜日開催。
変則的な日程で投手陣の調整、起用法ともに難しそうだが、リリーフ陣に関しては離脱組が戻ってくれば、層が厚くなることは間違いがなく、起用の幅が広がっていくはずだ。とにかく打線が16日のオリックス戦、19日の楽天戦のように投手陣が逃げ切るだけの得点を奪えれば、まだまだ上位進出のチャンスはある。
文=岩下雄太