23安打の猛攻でDeNAを圧倒
セ・リーグ首位のヤクルトは27日、敵地で2位・DeNAに16-4で大勝。
23安打・16得点の猛攻で圧倒し、連勝でこのカードの勝ち越しを決めた。
先発の小川泰弘が初回に先制点を許し、追いかける展開となった中、3回に「2番・左翼」でスタメン出場のパトリック・キブレハンが来日1号となるソロアーチ。DeNA先発・石田健大からレフトスタンドに叩き込み、同点に追いつく。
5月末に途中加入した助っ人は「いつもなんとかチームに貢献しようという思いでプレーしている。良い場面で打つことができて嬉しいです」とコメント。するとその後、7回に宮國椋丞からレフトへの2号ソロを放つと、8回にも坂本裕哉からライトへの3号ソロ。1試合3ホーマー、4安打・3打点の活躍を見せた。
オスナとサンタナに続く3人目の助っ人野手。昨年の東京五輪では米国代表の一員としてプレーしていた32歳にとって、横浜スタジアムは決勝で日本代表に敗れて悔しい思いをした球場でもある。侍ジャパンのメンバーだった村上からは、9回の攻撃時にベンチで「今日の活躍で良い思い出もできたじゃん」と言われたという。
その村上は、史上最年少の通算150号を放った前夜に続いて、この日は8回に2試合連続の48号ソロ。「少し高めの球でしたが、しっかり押し込めましたし、風にも乗ってくれました」と、高めのスライダーを右中間スタンドまで運んだ。
恐るべき22歳の4番打者は、これがプロ初の5安打で4打点。打率も.337まで上昇させている。
これだけに留まらず、村上の後ろを打つドミンゴ・サンタナには8月11日の広島戦(マツダ)以来となる13号ソロが飛び出し、6番のホセ・オスナは4回に2試合連発の15号3ランを放つなど3安打で3打点。スタメンマスクの7番・内山壮真も2号ソロを含む3安打3打点と、5番以降の打線にも活気が戻ってきた。
高津臣吾監督は「立ち上がりのところを1失点に乗り切ったのが大きかった。相手に主導権を渡さなかったのが攻撃につながったのかな」とし、打線爆発の中で投手陣の踏ん張りも称えた。
これで2位・DeNAとの差は6ゲームと引き離したが、あす以降に向けて「しっかりとした野球をやりたい」と気を引き締めた指揮官。
「僕らが目指している野球というものがあるので、それが披露できるように努力したいと思います」
連覇に向けて、弾みのつく大きな1勝を手にした。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)