28日は“経験者”が復帰
日本ハムのコディ・ポンセ投手(28)が27日、本拠地で行われたソフトバンク戦でノーヒットノーランを達成。
プロ野球史上87人目・通算98度目という偉業と同時に、今季5人目の達成は1940年に並ぶ1シーズンの最多記録となった。
立ち上がり、3番のジュリスベル・グラシアルに四球を与えたものの、後続を斬って無失点。そこから右腕のショータイムがはじまる。
打たせて取る投球で凡打の山を築き、8回は先頭の野村大樹にセンターへ抜けるかという打球を弾き返されたが、これは遊撃手の中島卓也がギリギリでキャッチして回転スロー。スーパープレーで無安打投球が守られる。
迎えた9回、先頭のフレディ・ガルビスにストライクが1球も入らず歩かせてしまうと、つづく正木智也に対してもボールが2つ。雲行きが怪しくなったが、場内からの温かい拍手に背中を押され、正木を右飛でまず一死。そして、つづく今宮健太を1球で遊ゴロに仕留め、注文通りのダブルプレー。ゲームセットの瞬間、ダイヤモンドの中央で右腕の喜びが爆発した。
これが来日11度目の先発にして、来日初の9回完投。与四死が2つで奪三振が6、球数113で無安打・無失点。圧巻の投球で今季3勝目を掴んだ。
27日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した阿波野秀幸氏は「前回登板(8月19日・ソフトバンク戦)も悪くなかったんですが、三塁への牽制でボークを取られたり、不運な部分もあったんですよね」と、これまで投球自体の内容は悪くなかったことを挙げながら、「あとは柳田悠岐にうまく打たれていた(=前回対戦で3安打)ところもあったんですが、今日はいなかった。そこも大きかったかなと」とし、天敵不在という運も味方したと分析する。
同じく番組に出演した齊藤明雄氏は、「緩急自在でコントロールも良く、しっかりと投げていたなという感じ」と語り、ポイントに挙げたのは8回の中島卓也の好守。「きょうはファインプレーも2つくらいありましたね。ああいうビッグプレーがないと、なかなかノーヒットノーランというものはできない」と、偉業達成にはファインプレーが付き物とコメント。
そのうえで「やはり投手からすると、改めて野手に感謝ということですよね。好守もそうですし、そもそも点を取ってもらえなければ参考記録になってしまうんですから」と語り、味方の野手あっての大記録であることを強調した。
これで82年ぶり、シーズン最多タイとなる5人のノーヒッター誕生となった2022年シーズン。各チーム残すところ30試合前後となっているが、解説陣も「あると思う」と記録更新に期待を寄せる。
阿波野氏が「予告先発の名前を見て、『あるかも…?』という気持ちになることが多いですよね」と語ったように、28日も過去にノーヒットノーランの経験があるソフトバンク・千賀滉大が登板予定。歴史が動く瞬間が訪れるのは、今日かもしれない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』