スッキリした表情で引退会見「誰しもが通る道」
中日の福留孝介選手(45)が8日、会見を開き、今季限りで現役を引退することを表明した。
福留はPL学園高から社会人野球の日本生命を経て、1998年ドラフト1位で中日に入団。シーズン打率3割30本塁打を2度記録するなど主力として活躍し、08年から海を渡ってメジャーリーグへ。13年からは阪神で8シーズンプレーし、21年に14年ぶりに古巣中日へ復帰した。
今季は開幕スタメンにも名を連ねたが、23打数1安打と成績不振。日米通算24年間で2618試合、2450安打、327本塁打を記録したレジェンドが、今季限りで第一線から退くことになった。
ユニフォーム姿で会見に臨んだ福留は、「寂しさもありますけど、必ず誰しもが通る道だと思いますし、いずれ自分にもこの時が来ることもわかっていることなので。いよいよきたなというところですかね」とスッキリとした表情で心境を口にした。
引退を決めたタイミングについては「この年になって野球をやっている以上、常にそのつもりで、その気持ちを持ってシーズンやっていますけど、今シーズンは使ってもらって結果も出ませんでしたし、そういう意味では自分の気持ちの中にこういうのがあったというのは意外と早い段階だったと思います」と話し、「技術はまだまだ足りないものもいっぱいありますし、それもそうでしょうけど、気持ちの面が一番大きいのかなと思います」と決断理由も説明した。
日米での経験に加え、阪神での8シーズン、最後に中日で過ごした2年も含め、「これだけ好きな野球をやらせていただいて、自分の好きなように生きてきて、本当に楽しかったです」と振り返った福留。会見では野球と向き会い続けたキャリアを「楽しかった」と振り返るシーンが何度もみられた。
一方で、中日の若手選手の話題に話が及ぶと、「もっと…もっともっと、とは思っています。僕がこうやって今年ユニホームを脱ぐなかで、必ず誰しもが通る。早い遅い色々ありますけど、脱いでから後悔するよりは、あの時やっておけば良かったって思うことのないようにやってくれたらいいなと思います」と、激励の想いを込めたメッセージも送った。
今月末には引退試合が行われる予定だが、現在はファームでリハビリ中とのこと。「なんとか故障を治して、最後に元気な姿を皆さんの前で見せられたら良いなと思っています」と、ファンへ勇姿を魅せることを誓った。