紙一重の敗戦…
DeNAは11日、ホームでヤクルトに0-1で敗戦。
奇跡の逆転優勝を狙い、首位チームに挑んだ直接対決。指揮官の執念のタクトも実らず、悔しいシャットアウト負けとなってしまった。
この日の大一番に向けて、ローテーションをずらして先発んマウンドに送った大貫晋一は、天敵・村上宗隆を3打席凡退に斬って取るなど、内容の濃い投球を展開。7回を1失点とハイクオリティ・スタートを達成し、厳しい役割を十分に果たした。
守備でも、桑原将志が村上の打球をフェンスにぶつかりながら好捕。さらには途中出場の右翼手・楠本泰史と牧秀悟の中継プレーが決まって失点を阻止するなど、好プレーが続出した。
投手陣も、1点ビハインドながら伊勢大夢や山﨑康晃といった勝ちパターンの投手を惜しみなく投入。強力・ヤクルト打線を1点に封じていった。
しかし、打線はヤクルト先発・小川泰弘の低めを丁寧に突く投球に苦しめられ、スコアボードにはゼロが並ぶ。
ファウルで粘るなど必死で喰らいつく姿勢は見せたが、4回のチャンスはネフタリ・ソトの打球がレフト正面。9回裏も二死二塁からソトの引っ張った打球は、ジャンプした村上のグラブの先に収まり、とにかくホームベースが遠かった。
無敗のユニフォームと、ここからのために用意されたスローガン、そして奇跡を信じる満員のファン。熱のこもった一戦は、無念の敗戦となった。
「終わりじゃない」
試合後、三浦大輔監督は「本当に守りも攻撃も喰らいついて喰らいついてやっていましたけどね……。点が取れなかったというところです」と、悔しさを押し殺すように第一声。
先発した大貫にも「前回登板後からこの日に合わせてくれていましたし、しっかり投げてくれたと思います。丁寧に大胆に攻めた投球ができていた」と高く評価した。
打線に関しても、「もちろんしっかりと粘って、打席でもなんとかしようというのは全員が思っていましたし、粘れていてチャンスも何とか作ったところですけど……」としつつ、「こればっかりは結果が求められる世界ですから。内容がよくても結果に結びつけないといけない」とコメント。
最後は「みんなよく頑張ったと思います。必死に食らいついていましたし、投手も守備も。紙一重ですよね。でも、結果として勝てなかったということは受け止めないといけないです」と語り、責任を一身に受け止めた。
ヤクルトに灯ってしまったマジックには「初めてついたわけではない。終わりじゃないんで、まだまだしつこいくらい喰らいついていく。また明日からやっていきますし、まだ光りが消えたわけじゃない」と言う。
目の前で優勝を決められたわけではなく、まだ戦いは残っている。逆転優勝についても、「(可能性は)小さくはなったと思うけど、自分たちでもっともっと大きくしていけるように。諦めが悪いので、やっていきます。しつこいくらいやっていきます」と、しっかりとした目で訴えた指揮官。
可能性がある限り、“横浜反撃”の炎を燃やし続ける。
取材・文=萩原孝弘