野球人生が変わったワンプレー「分岐点だった」
ソフトバンクの明石健志選手(36)が23日、今季限りで現役を引退することを発表した。
明石は山梨学院大付高から2003年のドラフト4位で入団。規定打席に到達したのは2012年の1シーズンだけだったが、複数ポジションを守れるユーティリティとして長らくチームを支えてきた。
プロ19年間で通算1007試合に出場し、打率.252、647安打、17本塁打、93盗塁の成績。今季は21試合の出場で打率.138と振るわず、ユニフォームを脱ぐ決断を下した。
引退会見を開いた明石は、「この何年間かというのは自分自身物足りなさを感じているシーズンが多かった」と振り返り、「打撃でいったら150キロのボールを弾き返せなくなっているなというのも感じましたし、もっと速く反応しなきゃいけないと思うとボール球にも反応するようになりました。走っていても加速も違えばキレも違う。それが要因です」と引退を決めた理由を説明した。
現役生活で最も印象に残っているプレーを問われると、「千葉マリンのサヨナラエラーが一番印象に残っている」と、2010年9月14日・ロッテ戦での適時失策を即答。「野球人生を左右するといいますか、そういう分岐点だった」と語り、「野球選手に限らず他のスポーツもそうだと思うんですけど、自分の弱さを認められないと、ステップアップはできないと思う。そこで初めてそういう壁にぶち当たって、考え方だったり、取り組み方が変わっていきました。痛いとか痒いとか関係なく、純粋に野球に取り組めた」と悔しさにまみれ奮起した記憶を振り返った。
度重なる故障に悩まされながらも、ホークス一筋で走り抜け、気付けばダイエー時代を知る最後の野手となった。「成績とかでも大したものではありませんでした。僕が誇れるのは19年間ホークスで野球をして、ホークスで引退できたというのが一番誇れること」と語った明石。
「すごい選手ばっかりで、本当にここでやっていけるのかなというのがプロ野球の始まりだった。それでも大した選手でもない僕をここまで長く居させてくれて、本当にホークスには感謝しかありません」と球団への感謝を口にした。
球団はPayPayドームで行われる24日・ロッテ戦の終了後に、明石の引退セレモニーを実施すると発表。当日は入場者全員に「明石選手応援ボード」が配布される。