「支えてくださった方々に少しずつ恩返し」
ヤクルトの嶋基宏選手兼コーチ補佐(37)が現役引退を発表。28日、神宮球場で引退会見を行った。
今季は選手としてはここまで1試合の出場だが、コーチ兼任でベンチ入り。献身的にチームを支え、2連覇に貢献した。引退のタイミングについて嶋は「今シーズン終わったらと考えていた。またやりたいなと思う日もあれば、しんどいなと思うときもある。その繰り返し」と、話した。
「楽天イーグルスに入団したときに野村監督にキャッチャーのいろはを教えてもらった。どれだけミスをしても我慢して使っていただいた。感謝しかありません。(野村氏に)ありがとうございましたという報告をしたいと思いますし、これから僕も野村監督のように名将と言われる指導者になっていきたいと、自分自身思っています」
会見では涙で言葉を詰まらせるシーンもあった。「仙台に離れて家族を残して、妻には辛い思いとか大変な思いをさせてしまった。子どもたちの成長を近くで見届けることができなかったので、しっかりと見届けていきたいと思いますし、16年間いいときも、しんどいときもありましたけど、それを支えてくださったたくさんの方々に少しずつ恩返しができるように、自分なりにですけどもやっていきたいと思います」と、家族への感謝と今後の思いを述べた。
さらに、プロ通算16年で最後の3年間をスワローズで過ごした思いには「本当にいいチームで野球ができて、野球人生を終えられる。幸せなこと」と振り返った。
16年間のプロ野球人生を終え、これから第2の人生をスタートさせる。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)