「応援してるから!」先輩の思いを胸にプレー
オリックスのT-岡田選手(34)は30日、今季限りでの現役引退を発表したヤクルトの坂口智隆選手(38)について語った。
2010年にT-岡田が本塁打王を獲得した際、坂口は後藤光尊とともにオリックスの野手の顔だったが、後藤が2014年に楽天へ、坂口は2016年にヤクルトへそれぞれ移籍。坂口が退団を表明した2015年の本拠地最終戦では、T-岡田が坂口の応援タオルをライトスタンドの前で掲げる印象的なシーンもあった。
引退の知らせを聞いたT-岡田は「寂しいですね。自分が一軍に出だした頃からお世話してくれた先輩でもありますし、プロ野球の一軍というのを教えてくれた先輩でもあったので、やっぱり寂しいという気持ちがいちばん大きい」と話した。
坂口とは引退発表があった29日に電話したようで、「元気そうでしたけどね。声は元気そうでした。『まだまだできるでしょ』みないな話をしたら『まぁできるけどなぁ』みたいな感じでした」と、やり取りを振り返った。
「出だしの頃なかなか上手くいかなかったんですけど、そういう時に声をかけてご飯に連れてってくれて、野球の話もしましたし、本当に励ましてくれることが多かったので、自分もそういう先輩になりたいなと思って、やっては来ましたけどね。ふとしたひと言で立ち直るキッカケになったりもするので、僕も坂口さんからそういうひと言というか、ご飯に誘ってくれて雰囲気だけで救われることも多かった」
後輩の目から見る“プレイヤー”としての坂口の印象ついては、「言い方は良くないかもしれないけど不器用だと思います。本当に何事も全力でやられてましたし、そういう姿は僕も見習わないといけないなとずっと思ってやっていたし、何事にも一生懸命というかアツくて、本当に野球選手でしたね」と話す。これも間近で同じ時間を過ごしたT-岡田だから言えることかもしれない。
坂口から「何とか1年でも長く続けられるように頑張れよ!応援してるから」とエールを送られたT-岡田。「もう一回頑張って、何とかチームの力になれるように、頑張らなあかんなというのは改めて思いました」と気持ちを引き締めた。
現役を引退した先輩たちの気持ちを背負って、もう一花も二花も咲かせてもらいたい。
取材・文=どら増田