8投手によるリレー
全日程終了を前に、今シーズンの2位フィニッシュが決まっている三浦ベイスターズ。
2日のホーム最終戦は1点差の惜敗となったが、ベンチ入り26人中24選手を起用するなど、1週間後のクライマックスシリーズに向けて実りある最終調整となった。
この日は先発した濵口遥大を2回で交代。2番手はフェルナンド・ロメロが1イニング、4回からは石川達也が横浜スタジアム初登板を2イニング無失点で飾る。
その後はCSでの中継ぎ起用を見据え、左腕の東克樹をマウンドへ。1回を無失点でつなぎ、森原康平も危なげなく1イニングを抑えると、ここ数試合ピリッとしなかったエドウィン・エスコバーも見事な3人斬り。復調をアピールした。
9回は二軍調整明けの平田真吾がアウト2つを簡単に奪い、最後の一人は守護神・山﨑康晃が2球で斬って8投手によるリレーを締めくくった。
打線は相手の倍以上となる12安打を放ったものの、併殺や良い当たりが正面を突くシーンも目立ち、得点に結びつけることができず。
最終回はストッパーの大勢を攻め、相手のミスも絡んで1点を返したものの、一打サヨナラのチャンスは桑原将志が空振り三振。ホーム最終戦はあと一歩届かず、惜敗で終わった。
「我々には次の目標ができました」
三浦大輔監督は先発の濱口について、「最初から2イニングと伝えていました。飛ばしていくというところで、ちょっとアクセル踏みすぎたかなって感じはしましたけど、特に問題はないと思います」とコメント。
一方、与四死4と乱れたロメロには「ちょっとどころじゃなかったですね。相手打者と対戦、勝負できていない。残念な結果」とバッサリ。
同じく与四死4の石川にも「2イニング行ってもらいましたけど、内容的には(ロメロ)と同じ。経験が浅いというのはありますけど、ファームでああいうピッチングをするかというと、あそこまで四球は連発しないですから。じゃあなんで出せなかったのか。勉強です」と手厳しかった。
そんな中で、好投を見せた東に関しては「前回より出力も上がっていましたし、しっかりと修正して対応してくれた」と手応え。
復調の気配を見せたエスコバーにも「ベンチで“お久しぶりね”と日本語で言ってきたので、“お帰り”で返しました」とジョークも出るほど吹っ切れた様子と明かし「まだ時間もあるし、状態を上げてCSに入ってほしい」と期待を寄せる。
9回に登板した平田真吾についても「うまく繋いでくれたと思います。自分の投球をしっかりしてくれた」と語り、満足げな表情。
その裏の攻撃で見えた粘りには「最後に相手のクローザーから柴田・神里といった普段打席が少ない選手が作ったチャンスということは収穫がありました。確かに1点しか取れなかったですが、非常に内容のある1点だったと思います」と手応えを口にした。
試合後のファイナルセレモニーでは「我々には次の目標ができました。来週から始まるクライマックスシリーズからの日本一への目標に、チーム一丸となって戦ってまいります!」とファンに宣言した指揮官。
“横浜反撃”を有言実行に移す時が、着々と迫っている。
取材・文=萩原孝弘