悔やまれる3点目を取り逃した併殺打

　レギュラーシーズンの2位・DeNAは、攻撃陣が振るわず逆転負け。3位の阪神に1勝2敗と負け越し、ファーストステージ敗退が決まった。

　DeNAは2回、5番・宮﨑敏郎が右越えソロを放ち先制。この一発は今シリーズ両チーム通じて初のアーチとなった。3回は一死から1番・関根大気が四球で出塁し、続く楠本泰史の右前打を右翼・大山悠輔がファンブル。一死二・三塁の好機を作り、阪神先発・才木浩人の暴投で2点目を加えた。3番・佐野恵太の四球で再び一・三塁したが、4番・牧秀悟は二ゴロ併殺。3点目を奪うことはできかった。

　打線は4回以降、無得点。1点を追う9回は一死満塁と一打サヨナラのチャンスを作ったが、代打・藤田一也が痛恨の二ゴロ併殺に倒れた。このシリーズは3戦合計で3得点。自慢の打線が振るわず、ファイナルステージ進出を逃した。

　10日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した江本孟紀氏は「打線が初戦から全体的に固かった」と振り返る。

「この3連戦もチャンスで（タイムリーが）出ないんですよ。（今日の試合も）普通ならあの最後（一死満塁）で外野フライ1本打てる場面だけど、あそこで詰まってしまう」と、今日の試合でも打線のつながりを欠いていたと言及した。

　同じく解説を務めた大久保博元氏は3点目を取れなかった3回の攻撃に注視し、「2点リードしているけど、完全に流れを切るダブルプレー。外野フライを1番に考えて1点取ってくれたら完全に主導権をベイスターズが握れていた。（4回のソトの併殺打も）3回に点が取れなかった悪い流れをチームで引きずってしまっていた」と、試合の流れを自ら手放してしまったと指摘。

「ランナーが三塁にいるケース（無死か一死）でヒットが一番良くて外野フライが最低限の仕事とよく言う人がいますが、僕から言わせれば最高の仕事が外野フライですよ。外野フライはヒットを打つより難しくないですが簡単に打てないですよ。だけど、外野フライを打つ意識をするだけで、ゾーンが上がって低めに手を出さなくなる。自分が外野フライ打てる形で入っていくから自分のスイングがしやすくなるんですよ」と持論を展開し、「（3回の）牧はヒットを打ちにいってるから、（才木の）スライダーが抜けてタイミングが合わないのに振ってしまった。この打ち方は外野フライの意識は100パーセントないです。ヒットを打つ打ち方になっちゃっていますよ」と解説した。

「あそこで外野フライを打って3点目を取っておくことが『1000点』なんですよ。ヒットが『1000点』で外野フライが『100点』ではなく、外野フライが『1000点』でヒットが『100点』だと思わないと勝てる試合も勝てなくなってしまう」と、外野フライの重要性を説いた。

　昨年の最下位から2位と飛躍を遂げたDeNAの来季については「強いチームですよ。一丸となってみんなで士気を上げて戦えるチームになっていますから。手探りではなく監督、コーチ陣が見事に連携が取れていますし来季は相当強いチームとして優勝争いの筆頭になってくるんじゃないですかね」と語った。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』